禁断の組み合わせ、実現。
悪人を守る漢×悪人を殺す漢。
Fワードと銃弾まみれな男2人旅。
命の値段、プライスカット!!
さて。Netflixに登録して早数ヶ月が経った。
最強米軍vs最凶幽霊群。『スペクトル』感想。バレあり。 - 高速回転する方舟の片隅で。
しかしプリペイドカードでの契約だったために気がついたら残高ゼロ。
それでも8月はNetflixの勝負月。
大目玉の『ディフェンダーズ』もそうだがMCUのNetflix勢大集合。
名実共に「裏アベンジャーズ」だ。
ハリウッド版『DEATH NOTE』という隠し球も潜んでいる。米国リメイク。純粋に楽しみ。
「そろそろ再登録しないとなぁ…」とかベッドに寝そべりながら考えていたところ、ネットニュースにてとんでもない記事が目に飛び込んできた。『ヒットマンズ・ボディガード』
「Netflixにて8/18にて独占配信」
「…え!!???」
物理の法則ガン無視で飛び起きた俺はそのままタバコを8本吸った。
それでも冷静に処理できなかった。
この映画、原題『The Hitman's Bodyguard』は俺が今年一番期待していた映画でもある。
旬すぎる俳優「ライアン・レイノルズ」と
ずっと旬な俳優「サミュエル・L・ジャクソン」によるバディ映画というだけで垂涎ものだが予告でのFワード連呼。
The Hitman’s Bodyguard (2017) Restricted Teaser Trailer – Ryan Reynolds, Samuel L. Jackson - YouTube
さらには真っ向からふざける気満々なポスター。この2人の使い方をよくわかってる、としか言えない。
しかし本国での公開目処はついているものの日本ではさっぱり。Googleの力をもってしても詳しい状況が把握できないほどであった。
それが久方ぶりに目にしたと思ったら全米公開と同時に配信という奇跡。しかもNetflix限定で!
これほどまでに神様を信じた瞬間もなかった。
実際は諸事情により配信は1週間後の8/25となったのだが、奇しくもこの情報を知ったのが8/25。
もう画面に齧りついて観賞した次第だ。
正直今でも青天の霹靂な気分だが
とにかくそんな寝耳に水なあらすじ。
主人公マイケル・ブライスは要人警護のエキスパート。元々凄腕のボディガードであったが、過去のある失敗をきっかけに失落。
一応要人警護の仕事は続けているもののおそらく無認可。 あらかじめ敵を全て排除するなど仕事の腕は相変わらずだが、恋人にも愛想を尽かされて無味乾燥な日々を過ごしていた。
一方。ベラルーシ。
一言で言えばやべぇ独裁者が1人。あっ!!ゲイリー・オールドマンだ!!
ヴラディスラフ。
そのヤバさゆえに法的に裁こうという動きがあるもののそこはヤバい独裁者。
証人を片っ端から暗殺するというやりたい放題な現状であった。
業を煮やした国連は最後の切り札としてある人物を証人喚問することにする。あっ!!サミュエルだ!!
ダリウス・キンケイド。
現在塀の中の凄腕の殺し屋。
これを引っ張り出すのは容易ではないと考えた国連が出した条件は「無実の罪で同じくブチこまれているダリウスの恋人であるソニアを釈放する」というもの。ソニア。スタイル抜群美熟女。
ダリウスの嫁なだけあって傍若無人だがイイ女感満載。土下座してお願いしたいレベル。
しかめっ面なダリウスだったが条件が出るや否や即効でサイン。
裁判所へ証人として出向くことを同意するのであった。
そこでインターポールは護送チームを結成。アメリア捜査官がリーダーに任命される。アメリア。キャリアウーマン。
土下座その2。
とりあえず一通りダリウスにディスられた後に護送を開始するも…1分と経たずに襲撃を受ける。
テンポ、良し!!!
どうやら内通者がいたようだ。
とりあえずなんなく死体の山を築き上げたダリウス。アメリアを連れてセイフハウスへ逃亡を図ることにする。
内通者がいる現状、職場の人間に頼るわけにもいかない。
そこでアメリアが電話したのは…あっ!!ライアン・レイノルズだ!!
そう、アメリアはマイケルの元カノだったのだ。
携帯の登録名を「悪魔」としているくらいには良い思い出がないマイケルは適当にあしらうものの下心があるのもまた事実。
下半身には逆らえない哀しき男の性により協力を承諾するのであった。
そしてセイフハウス。
マイケルとダリウスが対面。穏やかに挨拶を交わす…かと思いきや。「てめぇかよ!!!」×2
目が合うなり、殺し合いを演じる2人であった。
立場は真逆と言えども互いに命を扱うプロフェッショナル。どうやら顔見知りだったらしい。
というかマイケル曰く「こいつには27回殺されかけたんだぞ!いや、最近プラハで28回目あったわ!」な仲らしい。
しかし元カノアメリアの軽い脅迫の成果もあり、本日2度目の渋々な承諾をするマイケルであった。さらに間の悪いことにアメリアは報告のためにインターポールへ帰る、とのこと。
最悪な雰囲気。期限は数時間。全力で殺しにくる追っ手の集団。そしてヘラヘラしているサミュエル。
果たしてマイケルは無事ミッションを終えることができるのか??
元カノとヨリを戻せるのか!??
なによりサミュエルと仲良くできるのか!!??悪態と銃弾だらけの男2人旅が今、幕を開ける!!!
…まぁ、もう見始めたら最後までがっつり観るしかないストーリーではある。
話としてはシンプルイズベストなのだが要所要所のアクションの堅実さ、滲み出るスマートさによって飽きを感じさせない。それをどこか斬新なカメラワークで包みこみ近年ならではのスタイリッシュさも兼ね備えている。
かと思えば急に生々しいハードコアな描写もありダラけない。
役者陣の安定感もあり映画ファンならずとも楽しめる作品だ。
…と真面目に語ってはみたもののやはり一番の見所であるキャストに触れずにはいられない。
とにかく主演2人を見ると脊髄反射的に浮かぶものがある。
「MARVEL映画」だ。
かたやX-MENの革命児、デップー。演:ライアン・レイノルズ。
かたやアベンジャーズのエンドロール御用達眼帯おじさん、フューリー。演:サミュエル・L・ジャクソン。
現在MARVEL映画筆頭の二大勢力を代表すると言っても過言ではないこの2人。
映画シリーズでは大人の事情という高すぎる壁によって共演不可な2人でもある。映画制作会社が別、という残念さ。
まぁ『デッドプール』ではエンドロール後に散々イジってたが!そんな2人が夢の共演。
さらにアメリアを演じるエロディ・ユンはNetflix版『デアデビル』の女傑エレクトラ。『デアデビル 』シーズン2より。
おまけにゲイリー・オールドマンは「ノーラン・バットマントリロジー」のゴードン警部。肥溜めの中のオアシス。
これでテンション上がらないアメコミ映画ファンはいない。
しかも主演2人はどちらも口の悪さでいえばハリウッドで一二を争う問題児。
おそらくFワードを言った回数では群を抜いてるはずだ。
それだけでは収まらず本作の監督は『エクスペンダブルズ3』を担当したパトリック・ヒューズ。
役者は揃った!!!
さて、見所…といきたいところだが「とりあえず期待したものは出てくる」と太鼓判を押すことしかできない。
なにせあまりにジェットコースタームービーすぎて語るに語れない。
いやあることにはあるのだが
やれ「男とは〜」やら「女は〜」やら中身スカスカな武勇伝自慢やら与太話が多すぎる。
そして困ったらFワード連呼。
ぶっちゃけ本筋だけなら半分の上映時間で済むほどだ。
しかしこの男子校の放課後感。
『エクスペンダブルズ』や『マグニフィセント・セブン』に通ずる漢の美学が満載だ。
「中身がないことこそが中身」精神。
それをしょうもないと笑い飛ばすのは簡単だが、言わせてもらえばこれこそが男の本質でもある。
一応マイケルの成長譚という側面もあるのだがそれは隠し味程度に終始する。
とにかく主演2人の魅力が大爆発してることが本作の特長だ。
ライアンは半分デップーな不真面目さ。サミュエルに至っては「悪サミュエル」まんま。終盤では鬱憤大爆発。
ただの日常サミュエル。
まぁ予想したものがその通りに出てくる安堵感。
まるで実家のような居心地の良さだ。
ちなみにライアン・レイノルズ主演の成長譚、悪人護送もの、黒人とのバディロードムービーといえば『デンジャラス・ラン』を思い出す。一言でいえば「闇堕ちしたジェイソン・ボーンをライアンが護送する」というサスペンスアクション。なかなかな佳作。
こちらのバディはデンゼル・ワシントンだ。無敵キャラの軌道にノリ始め。
しかしこれはあくまで徹頭徹尾真面目でシリアスなつくり。
面白いことには面白いが近年のライアン・レイノルズを知ってしまっていると物足りないのも事実だ。
思えばこの頃はライアンの暗黒期。
『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』では黒歴史としかいえないデップー…ではないなにか役。「なんや、こいつ…」なウルヴィー。
心機一転、他社のアメコミ映画に出演するものの『グリーン・ランタン』『ゴースト・エージェント/R.I.P.D.』合わせて200億以上の赤字。どちらもそこそこに面白い。ほんとにそこそこ。
『テッド』では台詞なしのいじられモブ。同性愛者役。何も言うまい。
さらに私生活ではブラック・ウィドウことスカーレット・ヨハンソンに「片方だけが仕事順調だとちょっとね」と離婚を突きつけられる。直帰一択な嫁さん。
ちなみに時期的には『アイアンマン2』くらい。スカヨハはブラック・ウィドウにて活躍の兆しがひしひしと。
もう心身共にボコボコだったはずだ。
しかしご存知の通り2016年。
『デッドプール』にて自他共に認める不死鳥のごとき大復活を遂げる。
『デッドプール』いろいろバレあり感想!最高にCoolでCrazyな映画だ!!! - 高速回転する方舟の片隅で。
以前ブログにも書かせてもらったが正直劇場でちょっと泣いた。
全方位に自虐交じりの喧嘩を吹っかけて笑い飛ばす圧倒的な不真面目さ。役者とキャラがこれまでにない程にシンクロした瞬間だった。
デッドプールはアメコミの中でも一番好きなキャラなのだがその知名度から歯痒い時期もあった。
それが数年ぶりに最高の形でスクリーンの中を飛び跳ねてくれた。
いちファンではあるがライアンの言葉を借りれば「自分の子どもが産まれた」ような嬉しさだった。深い一枚。
そういった点を顧みると本作は「デンゼルに喰われっぱなしだったあの頃とは違う」というライアンの意思表示が透けて見えてくるようだ。
もう他人をおちょくれる程にまで心の余裕もできた。
実際、本作のタイトルとポスターは『ボディガード』のパロディだし。比較。バカでもわかる。
まぁ過去との決別というよりは「映画同様に俺もここまで成長したんだ!!」ということなのかもしれない。
深読みと言われようが俺はそう感じた!
ということでライアン・レイノルズのファンなら絶対に見逃せない本作。
確かに明らかに依怙贔屓分の面白さは乗っかってるかもしれない。
それでもアクションは満載、しっかりと笑いもとってくれる愉快さもある。
マイケルの元所属会社が「トリプルA」というのは笑ったが!!
「トリプルX」おじさんがそれを茶化すの込みで。『トリプルX:再起動』より。
こちらでもエンディング要員だ。
かと思えば油断した際にハッとさせられる台詞もあり、キチンと締めるところは締める大人な作品でもある。
R指定なだけあってお子様厳禁ではあるが、過激で愉快なコメディアクションが好きな方には問答無用でおすすめだ。観よう!!
気の許せる友人とでも!!
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