アベンジャーズシリーズ第17弾。
『マイティ・ソー』シリーズ完結篇にして終わりの始まり。
全てを内包した超ド級痛快エンタメ大傑作。
最高だ!! 観よう!!!
ネタバレなし感想。
シリーズ未見には少しキツいかもしれない。
それでも90点は叩き出す傑作コメディアクション。
シリーズ好きなら劇場駆け込みましょう。
「ソーシリーズはいいかな…」とか考えてる人こそ劇場へ特攻してください。
過去最高の大暴れっぷりだから!
ちなみにコメディなので吹き替えでの観賞も大いに「アリ」だ。天海祐希普通に上手い。
とにかく老若男女問わず観に行こう!!
最近時の流れは非常に早いとふと思う。
『アイアンマン』1作目が公開されたのが2008年。
あれから早9年、来年で10周年だというから恐ろしい。
当然そんな節目の年にMARVELがなにもしないわけがない。
ヒーロー大集合映画『アベンジャーズ』3作目にして
ある種の完結篇でもある『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が封切られる。
この10年をかけて培ってきたシリーズの集大成。
単純計算で1年に2作ほどはなにかしらシリーズ作が公開されている計算だが
近年ではやたら連発されている気がしないでもない。
それでも毎度のクオリティは満点に近いのだからひれ伏す他ない。
さらに今年は4作公開という怒涛のラッシュ展開ぶりだ。
そしてそれを締めくくるのが本作『マイティ・ソー バトルロイヤル』なわけだが
『アイアンマン』と『キャプテン・アメリカ』を見ればわかる通り単体作は三部作になっている。
当然それに倣い、BIG3ラストの『マイティ・ソー』も今作で完結だ。
とはいえ『2』との間にはちょうど4年の年月が流れている。
合間に『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』を挟むもののそれすら2年前。
『キャプテン・アメリカ』の完結篇であり
「アベンジャーズ2.5」と揶揄されるくらいに
ヒーロー同窓会になっていた『シビル・ウォー』では欠席してしまっていた。
新入生の顔見せも兼ねたピリつく三次会。
元々単体作は影の薄いこともあり「多少扱い雑じゃねぇか…?」と思っていたのは事実だ。
社長やキャップに比べると知名度でも一段落ちている気がしないでもない。
しかしそんな数々の鬱憤を大爆発させる超傑作がここに完成した。
単体作どころか全シリーズ通しても最高傑作と言われる程の恐ろしい出来。
さらに「ソー」だけではなく「ハルク」も同格に参戦。
「制作会社の都合という高い壁のために単体作がつくりにくいからこっちで主人公にしよう!!」
という目論見も大成功。
おまけにMCUでNo.1の女子人気を誇る「ロキ様」も本腰入れた参戦表明。
「30メガトンの核爆弾」達がガチるとヤバい!ということを全世界が強制的に再認識させられる。
そんな100メガトン級なあらすじ。
【宇宙のどこか】
ときは『エイジ・オブ・ウルトロン』の後。
「ソー」は全宇宙の自警人として平和を守るために孤軍奮闘していた。
今日の相手は「最近悪夢に出てくる元凶」な烈火の大巨人「スルト」であった。
どデカくて強い巨人さん。
こいつを放置しておくと故郷のアスガルドが終末を迎える「ラグナロク」の原因となってしまう。
当然笑って見過ごせるわけもなくここ2年でやたらアップグレードされた身体能力と撮影技術で雑魚どもを瞬殺した後に
スルトの眉毛のような王冠を強奪するソーであった。
笑えるほど強いソーさん。
前作でテンション上げすぎてクビになったヘイムダルの替わりの派遣門番の無能ぶりにダメ出ししつつも
「眉毛」を手土産に久々にアスガルドの実家へ帰るソー。
そこには自堕落なニートとなった父の姿があった。
「オーディン」
今作では定年退職後の父親感満載。
やたらロキを持ち上げた茶番劇を葡萄をつまみながら観ているダメ親父に違和感を感じたのかイラついたのか
冗談抜きで「脳天カチ割る」脅しをかけてみるソー。
その正体は…はい、「ロキ」でした。
前作『〜ダーク・ワールド』で父オーディンを追放した後に変装し成り代わったまま楽しく過ごしていたとのこと。
割と平和に地元を治めている政治的手腕に驚きつつも、当然ご立腹なソー兄貴。
「親父はどこだ?」と相変わらず脳天カチ割る気満々な問い詰めをしてみると
「地球にいる」とのこと。
そのまま現場に急行する聖☆おにいさん's。
【地球】
早速オーディンを捨てた現場に行ってみるが
そこはがっつり工事中。
唖然としつつも兄弟喧嘩に発展か…とそのとき。
あの「どこでもドア」が現れる。
「ドクター・ストレンジ」だった。
連れられた先は「177A Bleecker St.」というSHERLOCK丸出しな場所。
ちなみにホームズの住所は「221B Baker St.」です。
「神さんが地球に何の用だ」と無限ビールと等価交換で事情聴取するストレンジ。
「俺の親父が捨てられた」とあっさり恥ずかしい家庭の事情を白状するソー。
「協力してやるからとっとと帰れ」
「地球のパワーバランスがおかしくなる」
となんとかストレンジの協力を仰ぐことに成功する。
神様と魔術師。なかなかコントな組み合わせ。
そして「30分落下させ続けられる放置プレイ」を受けたご立腹なロキと共に地球の果てでオーディンと再会する2人。
「父上…」×2。
しかし大御所にありがちな「凄いこと言ってそうだけど要点が掴めない」話の後に
寿命にて爆散してしまうオーディン。
どうやらソーの悪夢の「ラグナロク」のときは近いらしい。
そうこうしている間に曇天から明らかに善玉ではない最凶悪女が舞い降りてくる。
「ヘラ」死神。どう見てもヤバい女。
一瞥しただけで放置するべきではない相手。
挨拶替わりに即死ハンマーを投げ込むソーであった…が!
片手で抑え込まれた後に、粉々に粉砕される。
それを見て「ありえねぇ…!」と思うのも束の間。
「久しぶりね、弟よ」
ヘラはまさかの長女だった。
「もうこれ2人掛かりでも勝てる相手じゃない!」と
恒例の虹色ワームホールで電撃離脱を目論む長男と次男であったが
あっさり追跡され次元の裂け目に殴り飛ばされてしまう。
飛ばされた先は宇宙の掃き溜めだった。
【惑星サカール】
不時着早々、ハンマーのないソーは万能ビリビリチップによって囚われてしまう。
1作目からそうだがやたらと電撃に弱い雷神さん。
そのソーを捕えた女。
「ヴァルキリー」デキる女。
ソーのような漂流者を人身売買しているハンター。
そして連れていかれた先には…
「これはこれはこれは…!!」
あっ!大塚芳忠だ!!
「グランドマスター」
このサカールの王にして酔狂な男。
さらにその横には…
あっ!!やっぱりロキだ!!!
外界と時の流れが違う精神と時の部屋のようなラグを利用してすっかりグランドマスターのマブダチとなっていた裏切りの神。
そしてその兄弟漫才と血気盛んさを気に入られたソーは
スタン・リーに丸刈りにされた後にグランドマスター主催のコロシアムに投じられることとなる。
嫌々ながら闘うしかないソー。しかしその相手は…
あっ!!「ハルク」だ!!!!
なんとそこにはあの「インクレディブル」な破壊獣がいた。
「いよっしゃぁああ!!!!」
「えっ…???」
辺境の地で顔見知りに出逢えた喜びに打ち震えるソー。
そしてトラウマに支配されるロキ。
しかし相手は言葉と常識と物理法則が通用しない宇宙最強の猛獣。
地球のヒーローなら三途の川を十往復するレベルなガチの殺し合いをする羽目になってしまうのであった。
『シビル・ウォー』の裏側。宇宙の果てで。
お互いなんとかギリギリ生き残るものの
露天風呂付き専用個室にぶち込まれてしまうソーとハルクであった。
それでもこの腐れ縁。利用しない手立てはない。
ソー「協力しろ」
ハルク「ヤダ」
割と片言で普通に喋れるハルクに驚きつつも相容れない2人。
ワイスピを彷彿とさせる壮大な痴話喧嘩をしてしまう。
殴り合ったからと言ってすぐにお友達にはなれないのであった。
一方。最悪長女ヘラさん。
虹色ワームホールで「アスガルド」に入れたことをいいことに乗っ取りを企てる。
手始めに三銃士をあっさり抹殺。
「世渡り上手な派遣バイト」を従えることに成功する。
シリーズ皆勤賞にも容赦はなし。
連射機能を駆使した三国無双のような闘い方に為す術もなく倒れていく兵士達。
しかしそんな窮地を察した漢がいた。
「ヘイムダル」元門番。
黒人にしか似合わないドレッドヘアをなびかせ民衆達を安全圏へと避難させていた。
途中で宇宙のスカイプにてソーに救援を頼むもやはり相手が悪い。
なにより現在ソーは自由な身動きがとれない。
その原因でもある女、ヴァルキリー。
腕の刺青から実はアスガルド最強の女部隊出身であったことが判明する。
それもなんとあの最悪長女ヘラが巻き起こした殲滅戦の唯一の生き残りであるらしい。
壁画的な美術的全面戦争。
しかし今は落ちぶれ酒に逃げるその日暮らし。
そしてハルク。
なんとかここまできたジェット機に残っていた「ブラック・ウィドウ」主演の保存映像にて正気を取り戻し「ブルース・バナー」に落ち着く。
しかしどうにも記憶が『エイジ・オブ・ウルトロン』で止まっている。
なんと2年もハルクのままだったらしい。
「あぁだから喋れるようになってたのか」という観客の合点もそこそこにソーはそんな2人に協力を要請する。
「お前らはどうしようと勝手だ」
「だが俺はヒーローだ」
漢気しかない勧誘とアドリブ満載な漫才の末に宇宙の平和に手を貸すことを承諾する2人。
さらにこれだけでは足りない、と向かった先は…
「サプラァァ⤴︎⤴︎イズ…」
あっ!笑神様だ!!
「皆殺しにするぞ」という脅しももはや弱気なブルースにしか通用しない。
死ぬ死ぬ詐欺の常連にして裏切りの神でもあるためにあまり気が進まないが
そんな贅沢を言っていられる状況ではない。
冗談抜きで今、故郷が危ない。
そんなこんなで
"サーファーくん"
"最強アベンジャー"
"ワンダーすぎるウーマン"
"地球一の嫌われ者"
宇宙最強「リベンジャーズ」が電撃結成!!
相手は史上最悪最強な死の女神。
そんな「跪け!!」が口癖なワガママ長女をブチのめせ!!
グランドマスターの「乱パ用ミレニアムファルコン」を借りパクしたついでに
全宇宙と実家の存続を賭けた容赦なしのドメスティックバイオレンスの幕が上がる!!
もう全篇見所まみれで捨て所なしの本マグロな作品だ。
本作を監督したのは「タイカ・ワイティティ」
元々コメディ畑の監督なのだが、その手腕は遺憾無く発揮されっぱなしだ。
「台詞の8割はアドリブ」とは主演のクリス談だがおそらく比喩抜きだろう。
その場で思いついたような本気漫才ラッシュだ。
コメディセンスも一流なMCUではあるが、ここまで本気でコメディ映画とも言える作品を全力でつくられるともう笑って歓迎する他ない。
ハルクとソーの核爆弾な掛け合いから始まり
大ボケorくそ真面目×天然ボケな怪力タッグ。
ブルースとハルクに振り回される中間管理職さながらなソー。
「子守唄」だけは勘弁な!!
ロキはもう開き直ったようなギャグキャラ。
あざといを通り越した清々しさ。
過去作のことも存分にイジられる。
出演シーンの大半は笑いに包まれる。
その兄弟漫才にはファン卒倒な仲良し度も。
ちなみにジェーンに捨てられたこともここで判明。
「単身赴任しすぎたな…兄貴」
ゲストキャラのドクター・ストレンジも負けじと中の人のホームズネタに始まり
その生真面目さからのギャップで全てを持っていく。
ずっと言われていたホームズ関連も本作でようやく解禁。
ちなみにもう1人のホームズさんも出演はしないもののそのセンスで笑いを取る。銀河の果てで。
どこにいても平常運転。
前評判ではコメディ全振りに賛否あったようだが、観ればわかる。
全世界、圧倒的「賛」だろう。
かといってシリアスさがないわけではない。
本作で相手取るヘラは本気でヤバいやつだ。
「片手でムジョルニアを粉砕した後に三銃士をあっさり殺す」というシリーズをひっくり返すような暴れっぷり。
そしてそれすらただのオードブルだと言わんばかりの無茶苦茶さ。
1人でもソー並みのヴァルキリー部隊を殲滅させた過去は伊達ではない。
もうとにかく強い。
タイマンを挑んだソーは軽く片目を抉られる有様。
楽しそうだなぁ!!ヤバい!!
しかしそれほどの相手がいるからこそリベンジマッチが最高に映える。
終盤。
追い詰められたソーは精神世界にて父オーディンと面会を果たし、衝撃の事実を知ることになる。
ソー「ムジョルニアがなければあいつに勝てません…」
オーディン「お前はハンマーの神なのか?」
「あれはお前の真の力を封印するための枷だ」
ここにきてまたもやシリーズをひっくり返す斬新な新設定が発覚!
しかしそれによって負い目がなくなったのもまた事実。
ノーハンドで宇宙の雷を操れる名実共に「雷神様」にメガシンカするソーさんであった。
闇堕ち感満載だが正気は保ってます。
ここでカットインするメインテーマ。
そして借りを返すかのような無双っぷり。
アガるなぁ!!!!
ここでの鳥肌も名実共にあの「ワンダーウーマン」級だ。
…最終的にはヒーローにあるまじき他力本願なブン投げで物理解決するが!
前述した通りレギュラーキャラが割と死ぬ本作。
代わりにシリーズ初登場なキャラが多いが
その掘り下げもキチンと為されているが故に人間ドラマも熱い。
例えばヴァルキリーはやたらと人間味がある。
過去の失敗を大酒で打ち消そうとする女性。
自分探しに明け暮れるOL感満載なのだが
しかしやるときはやる!ワンダーに!!
シビれる闘うヒロインがまたここに。
敵であるヘラですら感情移入の余地がある。
最凶長女。ヘラ様。
昔は父とも仲良かったのに捨てられた過去。
そりゃ復讐も企てるな!!
というかこのシリーズは大体オーディンの育成失敗が原因だ!!
グランドマスターはその所業はエグいものの吹き替えのせいでふざけてるようにしか見えない。
憎めないやつ。
コレクターとの共演が望まれます。
そしてスカージ。
ヘイムダル替わりの無能門番。
ヘラの恐ろしさに即反旗を翻してしまうある意味一番人間味のあるやつなのだが
根っからの悪人ではない。
事実、仲間であった民衆が倒れていくのは全く良く思っていない。
とにかく全編、上司の不正に巻き込まれた中間管理職の哀愁が漂う。
もちろん黙ってはいられない。
クライマックスにていよいよその鬱憤がアスガルド人の誇りと化学反応を起こし漢気となって大爆発する。
魔法の世界で地球の近代兵器の恐ろしさを思い知らせるエクスペンダブルさ。
これでチャラだ!!!
さらにはレギュラーキャラも今まで見せたことのない面のオンパレード。
特にそれが顕著なのがロキだ。
昔から裏切りが容赦なかった逸話や幼少期の遊びまで。
かと思えば急にヤル気スイッチを入れたりもする。
正直あざとすぎる良キャラになっているが、それがまた楽しいのも事実。
ファンなら身悶え必至だ。
兄弟阿吽の呼吸も見られます。
そしてお得意の「残像ネタ」にもひとつのアンサーが。
逆手に取っていじられたかと思えばあっさり見透かされたり。
そりゃ兄貴もそこまでバカじゃないよな!
パラレルでの兄貴は脳筋極まりないが。
それでいてラストは「ロキならでは」の感動的なシーンで締めくくる。
過去作の使い方が上手すぎるなぁ!!
アクションやビジュアルについてはもはや言うことはない。
毎度のことながら正統進化を遂げに遂げているMCU節が今回も大炸裂している。
IMAXの価値も十二分にあるだろう。
ビジュアルも舞台も腐れ縁チーム感もかなり
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に寄せてきた感はあるが
今後の合流を考えるとこの選択はかなり素晴らしいと思う。
MCU恒例のエンドロール後のおまけではサノス軍と相見えそうな雰囲気だったし
おそらくその『リベンジャーズ』の窮地を『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が救ってくれるんだろう。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』への橋渡しも完璧だ。
とにかくどこを見ても不平不満が一切出てこない孤高の最高傑作っぷり。
強いて挙げるならみんな大好きダーシーちゃんが不在なことくらいだ。
眼鏡&隠れわがままボディなコミックリリーフ。
MCUの中でも飛び抜けて好き。
まぁ宇宙の話だし仕方ない!
それでも「基本的に試写会が当たったものは劇場に行かない」主義が例外になり得る出来だ。
字幕でも観たいし!!
最後に。
熱狂的なファンが多いシリーズだけに今回の試写会にはコスプレして観に来ている方がいらっしゃった。
ロキコス着てる女性だったが普通に似合いすぎててカッコよかった。
そのうち俺もデッドプールコスで乗り込みたいなぁ!!
そういえば原作のデップーはヘラと似たような「死を司る女神」デスと恋仲だった。
とんでもない女と付き合ってたな!!
すごいよ!!デップーさん!!!
『デッドプール』いろいろバレあり感想!最高にCoolでCrazyな映画だ!!! - 高速回転する方舟の片隅で。
作中で最もビッグなサプライズ。
序盤のロキをアゲる茶番劇。
そのロキを演じていたのは…
あっ!マット・デイモン!!?
なにしてんだ!!?お前!!!!
傑作の雰囲気が滲み出ている予告↓
ダメ人間味が溢れ出ているtwitter↓