ジェームズ・ガン、絶好調!!
手足は吹き飛ぶ。顔はなくなり血が噴き出る。
R指定は伊達じゃない!!
何度目かのアメコミ大革命!
甘く見るな、大火傷するぞ!!
でも気軽に見よう!大傑作だ!!
↑ヤバさの片鱗が見える予告編
『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』を試写会で拝見しました。
— ばーさーくん (@bebebeberserkun) 2021年8月9日
とにかく全編ガン節大炸裂!!
R指定は伊達じゃなく手足は吹き飛び首は千切れ血は噴き出る。ひたすら冗談みたいに人が死ぬ!
間違いなくヒーローものの分岐点になりうる過去最高に悪趣味で美しい超傑作だ!#新スースク飛ぶぞ pic.twitter.com/PcC5ANORWe
本作で3回目の登板となるマーゴットハーレイですが過去一のキレっぷり。
— ばーさーくん (@bebebeberserkun) 2021年8月9日
2016版が可愛さ、バーズ版が女性としての強さだとしたら今回は圧倒的な自由度。
奔放さと美しさを持つ狂気的悪女にしてカリスマ性も持ち合わせている。
ファンはもちろん初見でもヤられるぞ!#HarleyQuinn #新スースク飛ぶぞ pic.twitter.com/6GKdTaiJ4q
ネタバレなし感想。
悪人集結、極秘任務。
よくあるヒーローものではない。
初デート向けでもない。
でも超面白いです。
2016年版『スーサイド・スクワッド』との繋がりは皆無なので未見でも大丈夫です。
それどころか他のアメコミ映画なにも見たことなくても大丈夫です。
超人が存在する世界観ということだけ。
こんな人にオススメ。
2016年版『スーサイド・スクワッド』が物足らなかった方へ。
痛々しくなければグロいの平気。
アメコミが好き。
アクションが好き。
気楽に楽しみたい。
男女問わずカッコいい人が好き。
ジェームズ・ガンが好き。
とにかくこの夏過激で面白い映画が観たい。
「ジェームズ・ガン」
言わずと知れた天才監督である。
代表作はMCUでも随一の人気を誇るお馴染み『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズだろう。
宇宙を舞台に負け犬達が奮起する!
火薬と漢気がスパークする傑作スペースオペラ。
本国でも知名度皆無な原作を己の名と共に一躍スターダムに押し上げた手腕がある。
『アベンジャーズ / エンドゲーム』にも面々は堂々登場、それに続く『Guardians of the Galaxy Vol.3』でもシリーズ完結篇として監督に就任予定…だった。
しかし2018年。とある事件が起きた。
まぁこの辺は各々検索していただきたいのだが、とにかくディズニーから干されてしまった。
ブランド的にイメージが悪いのはわかるが、散々自社作品内で「人は変われる」を連呼しておきながらの対応とは思えなかった。
しかし映画界のボスは見捨てても映画の神は彼を見捨てなかった。
元々才能と実力は折り紙付き。
そんな天才が急転、フリーランスに。
他社が放っておくわけがなかった。
というか死ぬほど仕事が舞い込んできた。
その中からガンが選んだのは奇しくもライバル社DCだった。
兎にも角にも
「ジェームズ・ガン、最新作はDC映画」
この報道は世界を揺るがした。
さらに大慌てしたのは件のディズニー。
「ごめん、やっぱりGotG vol.3の監督やって!」と改心する。
俺なら嫌味を飛ばしながらギャラを釣り上げるところだが、ガン監督は有無を言わずこれを快諾。
めでたくディズニー、DC両社を手中にした。
やったね!
さて、そんな彼が手がける本作。
『スーサイド・スクワッド』
こちらもこちらで一悶着あった。
DCが誇る悪役が大暴れする名作だが、2016年に一度映画化。
MARVELではなかなかない「悪人が主人公」というストーリー性、ジョーカーとハーレイのビジュアル、そして監督がデヴィッド・エアー。
控えめに言って100点の前評判であった。
しかし蓋を開けて見れば評価は真っ二つ。
理由はひとつ。
素材に反して出来が超甘口だった。
思えばこの頃のDCは下り坂。
「MCU」という一大フランチャイズに対抗して「DCEU」というユニバースを創り上げたものの、過去の傑作に引っ張られすぎたのか
「作風暗すぎ」
「シリーズを意識しすぎていて単独作が雑」
そんな声が多数あった。
個人的には大味な闇鍋感こそが神話然としていてこの路線も大好物なのだが、DCのお偉いさん方はこの煽りをガンガンに浴びてしまった。
結果、当作は大衆化する。
つまりは大人の都合により監督の望まないところで小さくまとめられてしまった。
監督、キャスト、そして観客が歯痒い想いをした。
以降DCは反省したのか、作品は基本的に独自の路線を突き進むことにした。
その甲斐あってか『アクアマン』以降評価は爆上げ。続く『シャザム』『ワンダーウーマン1984』などのユニバースに入る面々はもちろん、独自ブランドの『JOKER』も大当たり。
全部超面白いぞ!記事書くよ!
この勢いを殺すわけにはいかない。
そんな流れで企画されたのが本作。
『The Suicide Squad』
キャストは一部共通するものの2016年版との関係性は希薄。
「続編、リブートではない」というオリジナリティ。
そして注目の監督に就任したのが前述の「ジェームズ・ガン」
監督界の風雲児と映画界の問題児が手を組む。
そんな場外乱闘とも言えるゴタゴタを乗り越えた本作。
「肝心の出来はどうなのよ?」と聞かれたら
「とにかく最高だった!!」
全ての憂さを晴らす様な大傑作であった。
そんな逆転サヨナラ満塁ホームランなあらすじ。
(以下、ネタバレあり)
南米の独裁島国に潜入する十数人の団体様。
一目見ただけでわかるクセの強さ。
それもそのはず、彼らは最悪死刑囚。
イカれた政府により「命令に逆らえば首に埋め込んだ爆弾によって即殺される」という強烈な枷を組まれた特殊部隊であった。
そんな自業自得とも言える集団。
彼らこそが「スーサイド・スクワッド」であった。
まずはメンバー紹介。
「ハーレイ・クイン」
狂った元精神科医の犯罪者。
三度目の実写。もはやお馴染み。
バックグラウンドは語られないものの、相変わらず美しく優雅で自由で狂気的。
このハーレイならジョーカーを尻に敷けそう。
「ロバート・デュボア」
通称「ブラッドスポート」
銃火器、格闘術のプロフェッショナル。
人間火薬庫。身体中に武器を隠し持っている。
チームの良心。割と常識人。
でも倫理観がおかしい娘がいる。一応娘想い。
唯一スクワッド入りを固辞していたが、娘を人質にされて仕方なく作戦に加わる。
ちなみに過去にスーパーマンを半殺しにしたことがある。
「ピースメーカー」
銃火器、格闘術のプロフェッショナルその2。
キャラ的に被ってるデュボアがあんまり好きじゃない。
変に真面目で変に平和を願っている。
ただしそのためには手段は厭わない。
一言で言えば「歪みに歪んだキャプテン・アメリカ」
「リック・フラッグ大佐」
続投組。チームのまとめ役。
エリート軍人だが苦労人でもある中間管理職。
お疲れ様です。
「キャプテン・ブーメラン」
続投組その3。
ブーメランだけで光速のヒーロー「フラッシュ」と渡り合えるイカれたやつ。泥棒。
ニコニコしてて人生楽しそう。
「ポルカドットマン」
水玉を操る陰気なマザコンサイコ。
人体実験かなんかの被験者。母親のせい。
そのトラウマにより目に映る全ての人間が母親に見えてしまう可哀想な人。
能力は一番エゲつない。水玉に触ると即死。
中の人は『ダークナイト』ではジョーカーの狂信者、『アントマン』ではスコットの友達、さらにドラマ『GOTHAM』『FLASH』にも出演するなどアメコミものに縁がある「デヴィッド・ダストマルチャン」
「クレオ・カゾ」
通称「ラットキャッチャー2」。
その名の通りネズミをコントロールできる。
(ディズニーへの当てつけか?)
常識人。可愛い。でも強さもある。最高。
ちなみに初代は父親。
演じるのは「タイカ・ワイティティ」
豪華すぎる!!
「サバント」
格闘術の達人。
本作の一番最初に登場する囚人。オーラ満点。
それもそのはず、演じるのは「マイケル・ルーカー」だ!!
『GotG』では最高の親父「ヨンドゥ」役だった御大。
圧倒的な佇まいも相まって活躍に期待がかかる。
「ウィーゼル」
見た目はイタチ、中身はシリアルキラー。
子供を27人殺している。ヤバい。
演じているのは監督の実弟「ショーン・ガン」
『GotG』ではロケットのモーションを担当。
ゴミパンダから殺人イタチとはさすが。
「ナナウエ」
通称「キング・シャーク」
ここでまさかのサメ映画要素。
サメの神様と人間の末裔?だかなんだか。
一応カタコトながら話せる。おバカな人食い。
マスコット枠でハルク枠。サメは正義。
あと声優が「シルヴェスター・スタローン」
えっ?豪華すぎん???
ちなみに日本語吹き替えは「玄田哲章」
そこはスタローンじゃないのかよ!!
「ブラックガード」
アーマーを着込んだ傭兵。
主役っぽい立ち位置にいる気がしないでもない。
「T.D.K.」
腕を切り離せる。バラバラの実の能力者。
こういうのがサラッと出てくるあたりがDCの世界観。
「ジャベリン」
元体操選手。槍の使い手。以上。
「モンガル」
宇宙人っぽい。以上。
「アマンダ・ウォラー」
続投組。チーム結成の立役者。冷血サイコ。
こいつが一番のドス黒い悪。
会議室にいる現場軽視野郎。
さてメンバー紹介も済んだところで早速二手に分かれて上陸を果たす面々。
しかし秒で訪れる嫌な予感。
そう、作戦は筒抜けだったのだ!!
モブキャラらしく雑に散っていくブラックガード、T.D.K.、ジャベリン、モンガル。
続投なのに容赦なく死ぬブーメラン。
上陸前に溺死していたウィーゼル。
その様相を目の当たりにして敵前逃亡しちゃって爆殺をキメられるサバント。
右端の人以外死にます。
そう、この映画は手加減無用。
激しすぎる開幕戦。
5分で半壊する部隊。
景気良く応戦しながらも「えっヤバい」と焦る囚人達。
だが悲劇はこれだけでは終わらない。
まとめ役のリッグ大佐が捕虜にされてしまう。
さらに渦中の独裁国家はクーデターの真っ最中。
政治利用のため連れ去られるハーレイクイン。
展開が速すぎて置いていかれるメンバーと観客。
「とりあえずこのままじゃ爆殺されるし残った仲間で任務を終えよう!」となんとか奮起する一同。
「ちなみに任務って何?」
昔にアメリカが宇宙から持ち帰ってきたとあるブツがこの国で研究されているらしい。
「それを跡形もなく消し去れ」とのこと。
「それ何?」
ドーン!!!
「えっ?!!!?」
かくして始まる化け物退治。
この地にはスーパーマンもバットマンもいない。
いるのは常人以上超人以下のイカれた面々。
正義も倫理もあったもんじゃない。
誇れるものは外れた理性と超えてきた修羅場の数々。
モチベは己の命とカケラの善性。
足りない部分は開き直れ!!
「「「うおおお!!!」」」
「やるぞ!!!」
こうして進むも死、戻るも死の自殺作戦の幕が上がるのであった…
このようにあらすじで言えばほぼ「エクスペンダブルズ」な本作。
複雑化するアメコミ大作に一石を投じるような潔さがある。
「頭を空っぽにしろ!」と聞こえてくるようだ。
さらに一石どころか大石を投じるような爽快感もある。
引くほど豪華な面々を集めておいて開幕で半分殺す。
名前だけでもポスターに出来るレベル。
無駄遣いさに大笑いしながらも本気で誰が生き残るかわからなくなる緊張感も走る。
とにかく冗談みたいに人が死ぬ。
繰り返しになりますが、右端以外5分で死にます。
それも竹を割るように人体が割かれていく。
ある程度の覚悟はしていたが、それを遥かに超えた偏差値の下りっぷり。
S級の題材でドB級が出来上がっている。
つまり最高だ!!
例えば中盤。
敵に囚われたリッグ大佐を助けに行くシーンがある。
そこには一個分隊ほどの兵士がいる。
しかしそれらを文字通り朝飯前にあっさりと処理していくスースクの面々。
中でも常識人ポジだったはずのデュボアとピースメーカーは張り合うかのように多種多様に兵士達を殺していく。
殺しの十種競技の図。
直後に彼らはクーデターの反乱軍、まぁ同じ目的の味方であることが判明するがメンバーに特に反省の色は見られない。
「う〜ん、仕方ない!」の図。
もう倫理観が外れすぎていて笑うしかない。
国家の独裁者に囚われたハーレイも同じだ。
その目的は「超人気者なハーレイと結婚すれば政権支持率が上がる」という自分勝手なもの。
しかし当の独裁者はイケメンの大金持ち。
満更でもないハーレイ。
その誘いを快諾し大いに愉しむ。
だが「逆らえば子供でも殺す」という黒すぎる政策を聞けば躊躇なく彼を射殺。
そのままノリでキルゼムオール脱獄を決行!
ここのハーレイはめちゃくちゃカッコいい。
そう、彼らはヒーローではない。
言語化は難しいが本作には全体的に「自由すぎる悪人」vs「救えないクズ」という図式がある気がする。
「死刑囚をモノ扱いする管理職」や「子供殺しをする独裁者」はさすがに人類の敵。
まぁ主役サイドも善人ではないからこそ血で血の争いを描ける。
優等生的なアベンジャーズにはできない所業だ。
そもそもアイアンマンなら10分、ソーなら5分で終わるような敵を相手にしている時点で作風はまるっきり違う。
だからこそ終盤で「ヒーローになれる」と喜ぶポルカの姿が胸に刺さる。
例え2秒後に怪獣に踏み殺されるにしても!
とにかく作中飽きが全くこない。
少し話がドラマ寄りになったと思ったら殺し合い。
「悪人」であることをいいことにとにかく殺す。
下ネタをガンガン飛ばしその場のノリで動く。
作戦らしい作戦はなく終始アドリブ。
敵がひとしきりいなくなれば今度はピースメーカーと大佐で殺し合いが始まる。
それが終われば今度はブラッドスポートとピースメーカーが殺し合う。
「あんなに仲良かった三馬鹿が…」
かと思えば怪獣が分裂し人々に寄生。
ゾンビの集団をつくり出す。
ヒーローであればこの人々を救うべきかどうかで物語が停滞してしまうかもしれない。
だが彼らは悪人なので特に気にもしない。
「ヤバ〜い」
一から十まで超人的に正しいヒーローものとは根本が違う。
必死に目の前のハードルを乗り越え、ひたすら破壊する。
だからこそある意味では人間味がある。
グロテスクさと美しさが同居する。
悪と善が入り混じる。
ひたすら全編、容赦なし。
これぞエンタメ!が連続する。
「ジェットコースタームービー」という言葉がピッタリな真夏の大作。
観よう!
気心の知れた友人と!!
ちなみにの関連作。
『スーサイド・スクワッド』
賛否両論ある2016年版。
ただ見方を変えるとこれはこれで面白い。
吹き替えも相まって豪華な午後ローというべきか。
グロさはなし、メンタリティも綺麗めなので「過激すぎるのはちょっと…」という方にはこちらがおすすめ。
『デッドプール』
一応立ち位置はヒーロー。でもモラルはない。
R指定ということもあり血飛沫などグロさもあり。
「俺には俺の美学がある」という心意気、「圧倒的自由人」というキャラクター性など本作と通ずるものがある。
他作品とのリンクはほぼないのでお気軽に。
奇しくも一作目が上記『スーサイド・スクワッド』と同年公開。
「好き勝手で自己中だけどカッコいい」という同一テーマで(俺の中で)勝ち星を挙げていた。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
ジェームズ・ガン監督の代表作。
こちらはヒーロー寄りだが「世間一般での負け犬が奮起する」というテーマは共通。
こちらも一作目は上記と同じく2016年公開。
「チームもの」「音楽の使い方」などの比較対象として完全に勝ち星(俺の中で)であった。
余談。
久々すぎて短め(当社比)の記事ですがこんな感じでゆるくやっていきます。
ご贔屓お願いします。余談終わり。
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