お気楽コメディアクション。
…かと思えば全力スパイアクション!!
配役完璧のんびりゆるふわムービー!!
当ブログを開設してから早4ヶ月。
ありがたいことにちょっとずつPV数が増えてきた。
嬉しいったらないのだが、一体どんな層の方が見てくれてるのかは全くわからん今日この頃だ。
ページ別解析によればワイスピが上位という時点で推して知るべしかもしれんが!
全てが、BREAKする。『ワイルド・スピード ICE BREAK』ネタバレ特盛り感想文。 - 高速回転する方舟の片隅で。
兎にも角にもPV数を伸ばすには需要に乗っかるのが最も手っ取り早い。
ひとまずここでとある人物を見てもらいたい。
…またステイサムじゃねぇか!
とにかくこの御仁を見て抱く感想はどう言った類のものだろうか。
腕っ節が強そう。皮肉が上手そう。運転上手そう。敵にまわしたくない。元飛び込みの選手。歩く大量破壊兵器。いつも似たような役。ハゲ。など様々な偏った意見が出るだろう。
この出演作のほとんどで共通しているかのようなステイサム像。
その積み重ねで上記のようなパブリックイメージが固まってしまうのも致し方ないところだ。
個人的に言わせてもらえればどれも似ているようで違うのだが
まぁ共通している箇所は多々あることは認めざるを得ない。
しかしそのイメージを逆手にとって大成功を収めたのが『ワイルド・スピード』シリーズだ。
『ワイルド・スピード SKY MISSION』感想なのか?これは!バレ増し増し。 - 高速回転する方舟の片隅で。
そこにいたステイサムはまさにパブリックイメージの極致、権化だった。
極限までアップグレードされた「いつものステイサム」の集大成でもあった。
もはや「いつも以上なステイサム」がファミリー相手に大暴れする。
言うまでもなく『ワイルド・スピード』シリーズはアクション映画。
当然のように最高の相性を見せつけてくれた。
シリーズに参戦した当初、というか現在進行形で各方面には感謝しかないのだが
ある意味ではステイサムの到達点とも言えてしまうだけに一抹の寂しさを感じてしまうこともある。
「芸術とは完成しないからこそ美しい」とは誰かが言っていた名言だが、その通りだと思う。
しかしそんなことで前に進むのを諦めるのは漢じゃない。
今までも様々な変化球を交えながらも俺のストライクゾーンに数々の豪速球を放ってくれたのがステイサムだ。
そんなことをぼんやり考えていた2015年。
衝撃のニュースが世界を駆け巡る。
「ステイサム、アクションコメディ参戦!」
それが今回紹介する『SPY/スパイ』だ。
脇役ながら眼光の鋭さは平常運転。
ワイスピのステイサムが「160km/hのド真ん中ストレート」だとしたら
本作のステイサムは「高速チェンジアップ」とも言える。
「コメディアクション」と「アクションコメディ」という絶妙に違うジャンルだが
そこにはワイスピと同じく「いつも以上なステイサム」が君臨していた。
そんな以上で異常なあらすじ。
主人公「スーザン」はCIAのデスクワーカー。
今日も相棒である「ブラッドリー」に本部から献身的なサポートをしているのであった。
「スーザン・クーパー」主人公。
CIAに入ったはいいものの刺激さとは無縁。
退屈とも言える日々の唯一の楽しみといえば片想い相手でもある相棒「ブラッドリー」へのサポート。
「ブラッドリー・ファイン」その相棒。
バリバリやり手な現場エージェント。
「もしもジュード・ロウがボンドだったら」まんまな八面六臂の大活躍を遂げるCIAのエース。
今日も今日とてバリバリ働く2人。
しかし目覚ましい活躍も束の間、敵の罠にかかってブラッドリーが殺されてしまう。
当然、復讐に燃えるスーザンは現場エージェントに電源志願!
今までモニター越しにしか見ていなかった危険で刺激的な世界に飛び込むことになる!
「やったるわ!!!」
いわゆる「凡人がいきなりアクシデンタルな世界に」系の作品。
その普遍的なストーリーを軸に、キチンとしたつくりで正統派コメディ映画としてかなり楽しめる。
主演と監督は『デンジャラス・バディ』や『ブライズメイズ』など良作コメディを手掛けてきたタッグ。
どちらも傑作。オススメ。
ちなみにこの後『ゴースト・バスターズ(2016年版)』でも手腕を発揮する。
いろいろ騒動もあったけど蓋を開ければ良作。
この媚びゼロなメンバー見れば納得せざるを得ない。
本作でも笑いはもちろんアクション面も意外にしっかりしていたりする。
キッチンファイトは一見の価値あり。
だがまぁそれだけだったらある種、よくあるB級映画として終わっていたかもしれない。
少なくとも俺は当分観ることはなかっただろう。
しかしここで例のあの漢の参戦が効いてくる。
あらすじには書かなかったが、この映画が俺の心を突き動かしたのは間違いなくステイサムの参戦だ。
「リック・フォード」
今回の役どころとしてはブラッドリーの同期にして孤高の一匹狼なエージェント。
相変わらずな眼光と口の悪さ。
そしてかつてない多表情さ。
もう登場からしてヤバいやつ感満載ではある。
ちなみにスーザンはもちろんCIA全職員に煙たがれている。
しかし演じるはステイサム。
当然ただのエージェントなわけがなかった。
設定もさながら明らかに意図された場違い感。
ブラッドリーを殺した犯人はかなりの大物らしくステイサムも現場に出張ってくるのだが
その登場方法が一癖ある。
現地のホテルに到着したスーザン。
部屋の電気を点けると
そこにはステイサムが何食わぬ顔で座っているというサプライズ。
驚きもそこそこに自己紹介代わりの驚愕の武勇伝の数々がステイサム自身の口から語られる。
「自分の心臓を電気マッサージして蘇生した」
「ガラスの破片を目から引き抜いた」
「レインコートをパラシュート代わりに高層ビルからダイブした」
「パーツを一旦飲み込んだのちにケツから出してコンピューターを組み上げた」
「切断された片腕をもうひとつの腕でくっつけた」
「車で列車に燃え盛りながら飛び移った。車じゃなくて俺が、だ」
「オバマに成り替わった」
このあまりにもデンジャラスで平常運転な経歴。
デッカードと肩を並べてしまうレベルだ。
そしてこれらを真顔で語るキャラクター性。
もはや隠し切れていない刺激的すぎるスパイスとして物語を大いに盛り上げてくれる。
思えばこの後に制作された『〜ICE BREAK』ではコメディエンヌっぷりを遺憾なく発揮していた。
もはやアクションの大元が本作に寄せてきたかのごとく!
それは本作にてコメディもいけることを明らかにしたためではなかろうか。
思えばどちらのステイサムもやっていることは意外にも大して変わらなかったりする。
さらに表情や演技プランもほとんど同じといえるかもしれない。
それでもよく考えてみればこんな漢が現実社会に存在したらたまったものじゃない。
『ワイルド・スピード』では基本的にどこを切っても超人だらけだからこそ何事もなく馴染めたものの
本作の主人公は等身大の独身女性。
凡人目線ではただの危ないやつにしか映らない。
このとんでもない落差のギャップをそのまま笑いに繋げるハイセンスさ。
目線と環境が違うだけでもここまでの差が出るとは驚嘆するほかない。
さらに油断した頃に見せる口先だけ感。
ドアノブにコートを引っ掛けてコケるステイサム。
王道だが堂々とやられたら笑う他ない。
それでも時たま、ハッとさせられる動きを見せたりもする。
雑魚共を得意の体術で瞬殺。
この奇妙ともいえる感情の揺さぶり方もワイスピにも通ずるところがある。
とにかくハリウッドによる全力パロディと言える本作。
トータルで見ると一般的な観客からしたら良作。
ファンの中には「こんなステイサム見たくなかった」という意見もあるかもしれない。
それでも自ら型にハマりにいった挙句にその枠組みを破壊するというのはこれ以上ない「いつものステイサム」といえるだろう。
ちなみにそんな常識外れっぷりが炸裂するのは観客が油断しきったエンドロール後。
ここからはぜひご自分の目で!!
そんな過激さはないので老若男女にオススメできる傑作。
デートでも友人同士でも気軽に観られる。
なんとなく面白いものが観たい日に是非!
雰囲気を捉えた良予告↓
Movie Express 映画『spy』日本語予告編 - YouTube
余談だが、そんなステイサム。
待望の次回作はなんと「vs巨大サメ」だ。
『刃牙外伝』より。
こんなん見たいなぁ!!
まだまだ型にハマる気はなさそうだな!!
さすがだ!!ステイサム!!!
型を気にしっぱなしなtwitter↓