遠い昔、銀河の果てで…
今、明かされる波乱の武勇伝!!
ロクでもないメンツが奮起する!
割と自分達のために!!
この映画、イイ予感しかしない。
ネタバレなし感想。
面白いです。
興行収入の悪さは関係なし。
純粋なエンタメ映画として満点。ぜひ劇場へ。
とくにシリーズおさらいは必要ありません。
むしろ入門編として最適。
気軽にアクションを楽しめる傑作です。オススメ。
本記事。
シリーズ全体のネタバレあり。
シリーズの熱狂的なファンではないので
その目線からの記事になります。
今回、スターウォーズファンの方はイラっとするかもしれません。
ファンの方はブラバ推奨です。
『スター・ウォーズ』
説明不要なSF映画の金字塔である。
映画好きなら必ず通る義務教育的シリーズでもあるが
正直なところ思い入れはほぼない。
当ブログを読んでいただければお分かりになるだろうが
個人的には「ビームよりも鉛玉」「宇宙船より改造車」「ライトセーバーより日本刀」「フォースより筋肉」が好きな俺。
なにより「遠い昔の銀河の果てで起こったことなんざ知ったこっちゃない!!」という気持ちも少なからずある。
まぁ見ようによってはワイスピやエクスペンダブルズも十分にSF(すごいファンタジー)ではあるのだが
あちらは現実が舞台。一応。
まぁ銀河まで行ってしまうと「現実離れしすぎて感情移入ができない」というのが本音だ。
しかしそんなわがままが言ってられるのも2年前の12月までだった。
「スター・ウォーズ」史上初となる実写スピンオフ映画が封切られたからだ。
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
その中に異様なオーラを放っている漢がいた。
"香港のラストドラゴン"
「ドニー・イェン」である。
「いよいよ宇宙大戦争に"宇宙最強の男"が参戦するのか!!」
これを見逃す理由などなかった。
公開日前日に丸一日かけてシリーズを公開順に予習した後に4DXへ駆け込んだのであった。
結論を言えば最高だった。
その「スター」より「ウォーズ」をクローズアップしたような内容。
皆がそれぞれ漢気を発揮しては散っていく。
むしろ銀河を舞台に移しただけの『孫文の義士団』な有様だった。
・前半1時間がアレ
・名もなき戦士達が大義の為に漢気を連鎖爆発させる
四捨五入したら全く同類な大傑作アクション。
観よう!今こそ!
そんな目当てのドニーさんは銀河でも負けじとサブキャラを超えた大暴れを果たしていた。
・ブラスターを文字通りノールックで躱す。
・ストームトルーパーを棍と素手でシバき倒す。
・盲目ジョークで場を暖める。
・終いにはタイファイターすら撃ち落とす。
どう考えてもそこらのジェダイを凌駕する強さに
ドニーさんを知らないスターウォーズファンの友人は目を丸くしていた。同時に虜にもなっていた。
それも含めて俺は大満足した覚えがある。
おかげでシリーズにも逆説的にハマることができた。
その流れで翌年に公開された
こちらも劇場へと駆け込んだ。
シリーズに思い入れがあるファンからすると受け入れ難いことも多いみたいだが
個人的には引き続き最高だった。
・禁じ手のワープ特攻をかます漢気おばさん
・レイ&レンの善悪異次元タッグマッチ
・大型戦闘機の集中砲火を食らいながらも涼しい顔で肩を払う"銀河の伝説"ルーク
・思い出したように登場するヨーダ
・やたらケレン味のあるフィンの倍返し
・悪いベニチオ・デル・トロ
俺が映画に求めているものがダース単位で押し寄せる様には面食らいながらも興奮した。
ただ世の中、俺のような意見は少数派なのか
反比例して落ち込んでいくスターウォーズ熱。
そして半年後に公開された本作。
ネガティブな意見が影響してかオープニング興行収入はシリーズ最低。
なんと『デッドプール2』の半分以下の売り上げという厳しいスタートになっているという。
最高。最高。最高。最高。『デッドプール2』感想。ネタバレあり。 - 高速回転する方舟の片隅で。
「まさか全年齢対象のスターウォーズがR指定映画に負ける日が来るとは…」と思うものの
そんな逆風が吹いている映画こそ応援したくなるのが俺の性。
むしろ「そんな荒波の中でこそ"宇宙一のアウトロー"は輝くだろ!!」と俄然興味が湧いてきた。
ムビチケを購入してまで心待ちにしていた鑑賞日。
オープニングで地震が発生するというリアル4Dなハプニングがありつつも、そこには過去最高クラスの「ウォーズ」があった。
『ローグ・ワン』が「戦争映画」なら
本作は真っ当な「西部劇」だった。
スクリーンには間違いなく未来のアウトローがいた。
そんな孤高のあらすじ。
はるか昔、遠い銀河の果てで…
がむしゃらに走っている2人の男女がいた。
ご存知、宇宙のアウトロー「ハン」
その幼馴染「キーラ」
共に駆け落ちすべく希少な金属燃料「コアクシウム」を盗み出していた。
その手口の雑さから地域のギャング達に追われるもののそこは孤高のアウトロー。
無重力装置を活かした天地無用カーチェイスで煙に巻くのであった。
ひとまず景気は良し!なオープニング。
その足で空港までなんとか辿り着いた2人。
入場ゲートに未来を夢見て歩み出すが、そう簡単にはいかなかった。
不法侵入もアダとなり、引き裂かれてしまう2人。
いつか迎えに行くことを堅く誓うハン。
こうなった漢の行動力はズバ抜けていた。
手続きをガン無視し帝国軍へ立候補。
自由とキーラを夢見て成り上がるのであった。
しかし現実は厳しかった。
新米は歩兵として使い捨てられるのが世の常。
今日も泥まみれになりながらプライベート・ライアンな1日。
しかしそんな戦争の最中でもアウトロー魂だけは衰えていなかった。
むしろ上下関係よりも己の意見を押し通すライフスタイルに磨きがかかっていた。
まぁそんな新卒は良く思われるわけもなかった。
「出る杭は早めに打っておけ!」と言わんばかりに戦場の牢獄にブチ込まれるハン。
そこは生きて出たものはいない地獄の檻。
一体の怪物がいるからであった。
後に相棒となる「チューバッカ」だった。
ひとまず檻の脆さをコナン君ばりに見抜いたハン。
容赦なく殴りかかってくるチューバッカを鳴き声のモノマネで回避!!
共に脱出しようと説得するべく「ミスったら即、死亡!」なジェスチャーゲームを緊急開催!
人智を超えた怪力を奮う猛獣、チューバッカ。
それをフル活用する猛獣使い、ハン。
後世まで語り継がれる伝説バディが電撃結成!
さすがになんなく逃亡に成功する2人。
そして目の前には幸運なことに戦闘機に乗り込んでいたヤツらがいた。
「ベケット」率いる3人の集団。
またもやアウトロー独特の嗅覚から「こいつら軍人じゃねえ、盗賊だ」と見抜いていたハン。
得意の口先交渉術で仲間入りを果たすのであった。
そんな彼らが2人を仲間に引き入れたのは
「これからの任務には人出が必要」だったから。
狙いはコアクシウム。標的は貨物車両。
居場所がない。金もない。なによりやることもない2人にはまさに渡りに船だった。
早速その足で運搬中の貨物車両へと向かう面々。
文字通りの縦横無尽さを誇る車両。
とはいえそれ簡単なミッション…のはずだった。
そこには正体不明の商売敵がいた。
予想外の展開に戸惑うベケット達。
獲物を逃すまいと奮起するものの相手は手練れ集団。
不運なことに仲間2人は戦死。
さらに獲物のコアクシウムも失ってしまう。
落ち込むハンとチューイに冷静に現状のヤバさを伝えるベケット。
「この任務は依頼だった。とあるヤバい男のな」
その依頼主の名は「ドライデン・ヴォス」…まぁ見るからにヤバいオーラが漂っていた。
とりあえず任務失敗と代替案を伝えにドライデンの元へ訪問する3人。
必死に弁明するベケットをよそにハンの視線は違った場所へ向いていた。
そこにはずっと思い焦がれていた「キーラ」がいた。
彼女は彼女でこの激動の時代をドライデンの側近となることで生き抜いていた。
それを見てわかりやすく奮起するハン。
「もっと大量のコアクシウムを盗んできてやるよ」
と若さゆえの無謀な代替案を提示。
引き換えに「失敗したら今度こそ命はないぞ」と脅しをかけられるが、今のハンにはキーラしか見えていなかった。
まぁ、なにはともあれ首の皮は繋がった。
お目付役としてキーラも同行することとなる。
もう有頂天だった。
ひとまず「宇宙船とパイロットを仲間にしよう」と向かった先。
それは全観客の予想通りの場所だった。
「ランド・カルリジアン」
至高のギャンブラーで自由人。
そのド派手な隠れ家で賭ケグルイしている様を見てとある策を思いつくハン。
それは「賭けで船をいただこう」というもの。
元カノを前にわかりやすくカッコつけて得意の口車で勝ち進むが、そこはランド。
袖口にカードを隠すという銀河共通のイカサマでハンを降す。
わかりやすく落ち込むハン。
見兼ねたベケットが狂気満載の眼差し&脅しスレスレな交渉術で場をまとめる。
頷く他ないランドであった。
いくら自由人と言えどもまだまだ若い。
かくしてほぼ無理やり連れ出されたランド。
お気に入りのドロイド「L3-37」も仲間入り。
そんなこんなで手を組んだアウトサイダー達。
・"自称宇宙一のアウトロー"「ハン」
・"190歳の怪力モンスター"「チューイ」
・"疲れ切った中間管理職おじさん"「ベケット」
・"オトナになっていた元カノ"「キーラ」
・"賭博自由録"「ランド」
・"声が大きい人権派ドロイド"「L-3」
以上、「宇宙の危機より明日の飯と命」な面々。
繋がりは脆くも儚い「成り行き」だけ!
最後に勝つのは一体誰だ!?
裏切り裏切られ、騙し合いの西部劇の幕が上がる!
銀河の果てで!!
鑑賞後に思ったのは
「これ『スター・ウォーズ』史上最高傑作だ!」という感想だった。
断言できるが興行収入の悪さは『最後のジェダイ』の余波でしかない。
もちろん長年付き添ってきたファンの気持ちもわからなくはない。
あの「ハリソン・フォード」による「伝説のアウトロー」を別人が演じるだけでも拒否反応を起こしてしまう方もいるだろう。
まぁ確かに似ているかどうかで言えば似ていない。
しかしその「無謀に真っ向から立ち向かう」ことこそが本作のテーマとリンクしているとも言える。
終始「俺はアウトローだ!」と他の誰でもない自分に言い聞かせながら無茶をしでかす様には憧れつつも共感できる。
そして「惚れた女には命を賭けろ!無条件で!」とばかりにあらゆる難局を向こう見ずな若さと気力で乗り越えまくる姿には
不思議と未来のハンソロが重なって見えてくる。
有言実行、素晴らしい!!
そんな青臭いとも言えるハンを導く「ベケット」
彼こそ本作における影の主役。
盗賊を生業にしている時点で生半可なアウトローではないが、その姿に浪漫はない。
むしろ疲れ切った悲哀に満ちている。
常に「誰も信じるな」と言い切り
状況が変わればあっさりと仲間を裏切る。
勝つ側につくことになんら疑問を持たないその行動理念。
必要とあらば人を殺すことすら躊躇わない。
それでも「絶対悪」とは言い難い。
将来の夢も「穏やかに楽器をやりたい」というささやかなもの。
そんな絶妙な役を「ウディ・ハレルソン」が演じている。
ラストにはまさに「西部劇」そのままにハンの前に立ちはだかる。
もう100点だろ!この映画!!
そして脇を固めるのはシリーズファンに配慮しつつ世相を反映したキャラの数々。
・強すぎるヒロイン「キーラ」
守られるヒロインではなく自立しているヒロイン。
ファッションを見ればその稼ぎは一目瞭然。
ハンの助けをただ待つだけではなく、生き抜いていた強さがある。
そしてありがちとも言える「悪女」感が満載…というわけでもない。
純粋な少女のような一面、人には言えない一面が絶妙なバランスで同居している。
結果的に「ハンじゃなくても惚れるよなぁ…」と思わざるをえない魅力を持っている。
ラストにはハンのために立ち上がり戦う物理的な強さもある。人を殺める覚悟も持っている。
それでいてハンを裏切る冷酷さも持ち合わせている。
正直、恐ろしいまでの良キャラだ。
…たぶらかされたいなぁ!!
・博打王子「ランド」
ハンの前ではアウトローの先輩ぶる。
ベケットの前では大人しくなる。
L-3の前では彼氏ヅラする。
素晴らしすぎるその人間くささ。
だからこそ海千山千のギャンブラー相手に勝ってきたある種の強みが立体化する。
ラストでは一件落着後にミレニアムファルコンを賭けてハンとリベンジマッチを行う。
まぁ結末はシリーズファンならご存知の通りだが
そこでイカサマを逆に利用されたと察したランドの表情は一見の価値ありだ!!
・饒舌ドロイド「L-3」
シリーズ初の女性型ドロイド(らしい)。
思えば『ローグ・ワン』にはやたら漢気溢れたドロイド「K-2SO」が登場していた。
ロボット三原則の代わりにハリウッド映画をインストールしたような熱気を持つ。
それに続くかのように登場した彼女。
こちらもこちらで振り切れた人間味を持っている。
ランドに惚れられているという設定、なにより中盤コックピットで行われる生々しさ全開の女子会。
そこで振り撒かれる「イイ女」感には最終的に観客も虜になるぞ!!
・プラネットハルク「チューバッカ」
シリーズでも割と大暴れしてきた猛獣ではあるが
本作ではそれ以上に輪をかけて暴れている。
序盤から鉄筋を歪ませる、貨物車両の連結を引きちぎるなど若さゆえの無茶の数々。
さらに中盤では、熱い展開の筆頭である「遅れてきた加勢」の勢いそのままに
上記の怪力をハンと同族のためにフル稼働!
敵をワンパンで沈める、明らかにダメな角度での「オーバー・ザ・ディズニー・パイルドライバー」など
非常に昭和プロレスイズム溢れる活躍を見せてくれる。
加えてラストでは戦闘力のみならず優しさまで魅せる。
頼もしさ、120点!!
こんな愉快な面々が所狭しと暴れ回る。
驚いたのが本作にはシリーズでありがちな会話劇が少ないこと。
主人公達の熱気と比例するかのように終始アクションが連続する。
もうどうにかしてると言いたくなるような場面が次々と押し寄せてくる。
どこぞの映画並みにインポッシブルなミッションの数々。
そんな困難をノリと勢いで解決していく。
スピンオフを含めたら膨大な数がある本シリーズ。
そんな中、予習復習という面倒なこと抜きで楽しめる本作。
舞台を「開拓時代アメリカ」に、コアクシウムを「金塊」に変換すればそのまま「王道西部劇」と言えるようなストーリー。
ファンにはグッとくる場面も多々。
まさに誰でも楽しめる純粋なエンタメだ。
シリーズファンはどう思うかはわからんが
俺のように浅めのファン、そして未見の方には問答無用でオススメできる傑作だ。
なによりどんな難局だろうが
「ハンのように決して諦めずに軽口を叩きながらも希望を捨てなければなんとかなる!」
ということを改めて提示してくれる。
そんな道徳の教科書ムービーでもある。
観よう!!
老若男女、誰とでも!!
ラストのネタバレ。
最後の最後でキーラは帝国軍所属だったことが判明。
結局ドライデンだけではなくハンも利用されていた。
姿を消す直前、とある人物とSkype通話を果たす。
あっ!? ダース・モールだ!!!
生きてたんか! お前!!
良い予感しかしない予告↓
「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」日本版予告 - YouTube
悪い予感しかしないTwitter↓