ブチ破れ!!不安とジンクスを!
ブチ壊せ!!常識と予定調和を!
素直に笑って熱くなるエンタメ大作!!
見よう! 原作&役者ファンは!!
…と驚いたのも早いもので2年ほど前。
あれよあれよという間に公開された前作。
正しくも美しい、宇宙一のバカ映画。『銀魂(実写)』感想。バレあり。 - 高速回転する方舟の片隅で。
そこには紛うことなき「銀魂」があった。
原作ファンの様々な不安、なにより原作者の揶揄を乗り越えて大ヒットしたのも記憶に新しい。
あれから1年。
愉快な面々が新たな要素を引っさげて帰ってきた。
意外に早く!!
…ということで観てきました。だいぶ前に!
どうやら原作も最終章に突入…どころか残り数回で完結するらしい。
俺の拙い青春時代を散々盛り上げてくれたことも手伝って感慨深いものがある。
アニメ初お披露目となった2005年のジャンプフェスタにお邪魔したのも今となっては懐かしい。
そんな若干しんみりとしかねない雰囲気。
その中「稼げるうちに稼いでおけ」とばかりに公開された本作。
そこには何一つ変わらない、それどころかある意味パワーアップした「銀魂」があった。
そんなわけで相変わらずなあらすじ。
オープニングはもはやお得意の「BGオンリー」
日本アカデミー賞主演男優賞を獲った菅田将暉とかいう俳優に嫌味を吐く、いつも通りの日常が始まる。
「坂田銀時」
伝説の侍にして現在は万屋屋のリーダー。
天パで死んだ目、甘党のダメ人間だがやる時はやる。
「志村新八」
ツッコミメガネ。凡キャ。
「神楽」
戦闘民族「夜兎族」にして大飯食らいのチャイナ娘。
そんな面々による万屋屋は今日も閑古鳥。
金もなければ仕事もない。
だらだらしながら愚痴るしかなかった。
言ってしまえば平常運転な「万屋屋」だった。
とはいえこのままでは明日の飯もままならない。
なにより大家による家賃の取立てもある。
そんなこんなでようやく見つけた仕事はキャバクラ嬢のヘルプ。
まんま佐藤二朗な店長とのぐだぐだ面接、ストーカー女忍者「猿飛あやめ」の猛アタックを躱しながらも平穏無事に済ませるつもりだった。
ほぼ演技を放棄したいつもの佐藤二朗。
銀時に惚れ込んでいる女忍者。ドM。
しかしそこに訪れた客は予想をはるかに上回る大物だった。
「「将軍かよォォォォ!!」」
命からがらやりすごして床屋のヘルプに来てみれば
何故かそこにも将軍が訪れる。
「「「やっぱり将軍かよォォォォォ!!!」」」
まぁロクでもない日常ではあった。
しかし警察組織「真選組」は違った。
いつものメンバーで今日も変わらぬ仕事、とはいかなかった。
新参者でもある「伊東鴨太郎」が組に出戻りしてきていた。
只ならぬオーラを醸すこの男。
幼少期から神童と謳われ、文武両道を極めし強者だった。
剣の腕は免許皆伝、頭の切れは局長である「近藤勲」からも「先生」と呼ばれるほど。
局長。ゴリラ。
その腕を見込まれ、入所1年目にして真選組参謀のポストに就いていた。
そんな出世頭、局内で疎まれないわけがない。
鬼の中間管理職。
ニコチン&マヨネーズ中毒者。
伊東とは自他共に認める犬猿の仲。
「嫌いどころか殺したい」ほどにいがみ合っていた。
「「いずれ殺してやるよ…」」
それでも最も尊敬する近藤がたらし込まれていては歯痒い日々を過ごす他なかった。
そんなある日。
テロリストの「攘夷浪士」達に絡まれる。
一対多。数の利はあちらにあった。
それでも鬼の副長の名は伊達ではない。
むしろこの苛々を発散させるのに丁度良かった。
そう思いながら刀に手をかけたときだった。
首筋に違和感を覚える。
疑問に思う間もなく襲いかかる攘夷浪士達。
次の瞬間。
土方は土下座をしていた。
それどころか財布を差し出していた。
普段の土方ならありえない事態。
原因もわからないまま暴行を受けてしまう。
それでも刀は抜けない。
完全にどうかしてしまっていた。
しかもその窮地を救ってくれたのはよりにもよって宿敵の伊東だった。
一番見られたくない場面を一番見られたくない相手に見られた。
それでもヘタレた性格は治らない。
それどころか悪化する一方。
背に腹は変えられない、と部下でもある「沖田総悟」に相談してみても状況は進捗しない。
ドSの若き天才。性格に難しかない。
それはむしろ好都合とばかりにパシリにされてしまう。
自身が定めた鉄の掟、局中法度も守れない。
組員達も異変に気付き始める。
このままでは処断されるのも時間の問題だった。
そんな現場の混乱はどこ吹く風の男。
キャバ狂いの「江戸の親父」
今日もその立場を利用して時の征夷大将軍をキャバクラや床屋に連れ回す無茶をしでかしていた。
行く先々で某万事屋らしき面々に出くわしもするが、そんな細かいことは気にせず遊び呆ける日々。
しかし最近は怪しい噂があった。
「過激な攘夷浪士が将軍暗殺を企てている」と。
その筆頭が
「河上万斉」
通称「千人斬りの万斉」と呼ばれる男。
そして自らを「攘夷志士」と名乗る絶対なる過激派。
「高杉晋助」その人だった。
しかしそんなシリアスさなど知ったこっちゃない万事屋筆頭、坂田銀時。
それでもとある男が訪ねてくるまでだった。
「トッシー」こと変わり果てた土方だった。
討論番組で新八とオタク論を熱く展開できるほどまでになってしまっていた。
一言で言えばヘタレたオタクに成り下がっていた。
そんな彼が絞り出した言葉は
「正気を保てるのもこれが最後」
「気が進まねぇが、お前らに頼むしかない」
「真選組を…俺たちの仲間を守ってくれ」
その豹変ぶりに違和感しかない万事屋。
「何言ってんだこいつ」と思いながらも
正気を取り戻させようとあれこれ手を尽くす。
しかし江戸一番の発明家「平賀源外」の力をもってしてもそれには及ばない。
スーパームロタイム。
八方塞がり気味になりながらも更に事態は悪化。
何故か仲間であったはずの真選組連中が土方を始末すべく迫ってくる。
ひとまず全員殴って一等賞にするが
すっかり違和感は確信に変わる。
「なんかヤバくない?!」
ここまでくるともう腐れ縁でもなんでも見捨てるわけにはいかなくなってきた。
それにまぁ今なら派手に暴れても特にお咎めはなさそうだ。
「「「やったんで!!!」」」
かくして国を揺るがす大騒動の幕が上がったのであった…
原作ファンならお馴染み「真選組動乱篇」がベースとなっている本作。
序盤のキャラ紹介に「将軍ギャグ回」を挟みつつもしっかりと一本の映画になっている。
…というか脚本はファンから見てもほぼ満点。
9割原作に忠実に、1割オリジナル要素を入れつつも複数の話を同時進行する。
近年右肩上がりな漫画実写化映画でも頭ひとつ抜け出てた完璧さ。
もはや唸るしかなかった。
なにより声を大にして言いたいのはその再現度。
可能な限り原作と全く同じ台詞、画作りもそうだが
それを忘れるほどのクオリティが本作にはある。
【役者の怪演度】
前作の記事でも触れたが、基本的にハマリ役しかいない本シリーズ。
「新しくこの中に入っていくのは並大抵のことじゃないぞ」と無粋ながら心配していた。
それも観るまでの杞憂に終わった。
その筆頭が以下の2人。
「伊東鴨太郎」as.三浦春馬
本作の影の主役にしてMVP。
凄すぎて驚くほどに「伊東」その人。
ビジュアル。声。冷徹で皮肉たっぷりな喋り方。存在感。新参者オーラ。身のこなし。
これ以上ないほどにぴったりとハマっていた。
本当にそのまますぎて軽く引いた。
役者陣の色に合わせた配役なのかもしれないが
それにしても底力を見た。マジで凄い。
話の内容的にも影の主役ではあるが、それ以上。
ラストの「ありがとう…」には感涙必至。
正直、想像を遥かに超えてきた。120点。
「河上万斉」as.窪田正孝
鑑賞前は「佐藤健」一択だった俺のイメージを一発で覆してくれた。
その折り紙つきの演技力はもちろん、妖しい雰囲気、存在感は「さすが」の一言。
なかなかレアな悪役も新鮮で最高。
なにより見所は終盤。
『HiGH&LOW』シリーズで開花した身体能力が大爆発する。
本作のオリジナル要素でもある江戸城に単騎で突入して有象無象を斬りまくるアクションシーンには見惚れる他なかった。
ダンス万能説、ここに極まれり!
とにかく観終わった後にはこの2人の感想しか出てこないほどに映画を喰っている。
それも引くほどに!!
もちろんそれ以外の新キャラ。
堤真一は最高に飄々としつつもラストにはしっかりとした策略家としてシメてくれるし
将軍はこれ以上ないほどまでに将軍。
紛うことなきハマリ役と言える。
じゃあ前作のレギュラー陣はおざなりにされているのか、と問われれば否。
レギュラーはレギュラーでもはや1クールドラマをやってきたかのような安定感がある。
万事屋はもはや彼ら以外ありえないし
コメディリリーフのお妙や桂、源外も堂々たるもの。
オープニングから全開だ!
本作の主役の真選組の面々に至っては完璧と思えた前作以上に地に足が着いている始末。
真選組ver.ポスター。堂々たるもの!!
そしてまさかの堂本剛続投。
…最高だな!!
【銀魂ならではのアクション】
前作記事でも書かせてもらったが
ガチ時代劇をやるにはノウハウ不足。
かといって派手さを組み込んだ『るろうに剣心』方式ではあちらに勝てない。
以上の問題点を
「集中線を入れたような特殊効果」
「剣筋をCG加工」
「さらにとにかく非現実的なまでにブッとぶ」
ことにより難なく克服。
新たに「漫画的殺陣」とも言える手法を編み出した。
これは本作でも共通している。
それどころか圧倒的に進化していた。
・電車内で沖田が大暴れする場面
局内の裏切り者を多数相手取る珍しくシリアスな沖田が拝める名シーンだが
本作では無双をしつつも数の利に押され気味になる。
しかしそこへ急遽、神楽が助っ人にくるという夢のオリジナル展開。
かくして軽口や皮肉を叩きながらも人間やめてる超人タッグが電撃結成!!
それぞれお構いなしに、それでいて信頼しつつも
自分のスタイルを出して大立ち回りするのだが
まさかこんな画が実写で観られるとは!!
ひとつひとつのアクションにキチンと「犬猿の仲だけど相手を認めている」それぞれの感情が込められていてもう失神寸前だった。
最高だ!!
・終盤の万斉無双から引き続くvs銀時
「CG」「ワイヤー」「スローモーション」を派手に駆使しながらお互いの戦い方を忠実に再現。
特に銀時の「酔っ払いの鼻唄」とも揶揄される我流喧嘩殺法はあまりにも素晴らしい。
飄々としながらある種の狂気を秘めた強さを終始魅せつける。
「やっぱり銀さんって強いな」というより
「いや、こんな強かったっけ?」と驚くほどに!!
カッコよかったなぁ!!!
【原作そのままのギャグ】
ギャグを文字にするのも無粋なので軽めに。
これは見たまま、原作通り。
顔芸に始まり、台詞回し、そして躊躇ない下ネタ。
原作の持ち味を殺さずに実写化されている。
なにより一番の特長。
「危ない」ネタは本作でも健在だった。
「某モビルスーツ」や「某悪魔の実」が出てくる前作までとはいかないが
オープニングの「某映画泥棒」に始まり
「某無免許医師」「某動物バス」「某汎用人型決戦兵器」
エンディングは「某大捜査線」で〆るなど相変わらず各所に喧嘩を売りっぱなしのやりたい放題さ。
ここは本作オリジナルのネタもいくつかあるために賛否分かれるだろうが、とりあえず一定の期待には応えてはいる。
個人的には「これやっておけば満足でしょ?」感はあまり好きじゃないが、まぁそれが監督の持ち味でもあるし野暮な意見しれない。
とにかく予告であった「無駄遣いの極致」はある意味半分当たって半分間違ってもいる。
確かに無駄とも言える豪華キャスト、の数々。
しかしそれらがこれ以上なくピッタリとハマっている。
最高に贅沢、そして無駄がない。
もはや言うことはほぼない。
まさか『銀魂』の記事でここまで真面目に語ることになろうとは思ってもみなかったが
事実、最高だったから致し方ないな!!
不満点といえば
・せっかく菅田将暉使ってるんだからなにかしらのタイアップ曲がほしかった
・山田孝之不在
くらいなもの。
それ以外は本当に完璧。
原作ファン、役者ファン、初見の方、笑いたい方…老若男女全てにオススメだ!!
本作も紛うことなき「銀魂」!
観よう!!誰とでも!!!
最後は原作スピンオフ『銀八先生』の一言で。
「「エイリアン」って1と2は最高だけど3は微妙だったなアレ」
「あ、あと「ターミネーター2」も良かったな」
「泣いたもんシュワちゃんが沈んでく時…3は覚えてねーけど」
「大体世の中のことはな、3で失敗するようになってんだ」
「『調子に乗るのも2まで』」
続編タイトルは決まったな!
期待してるぞ!!
予想を超えてくる予告↓
映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』本予告【HD】2018年8月17日(金)公開 - YouTube
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