「この二人、パリ出禁。」
120点満点なキャッチコピー。
ド直球王道バディアクション。
「無骨」と「スタイリッシュ」
「80年代」と「00年代」
「CIAのアウトロー」と「天才スリ師」
全てが真逆な2人が手を組んだ!!
今現在のハリウッドでの黒人俳優といえば
俺の中に揺るぎない四天王がいる。
「サミュエル・L・ジャクソン」
ハリウッド組は大体友達。
そして「Fワード」の伝承者。
代表作は『スター・ウォーズ』に始まり『アベンジャーズ』や『ジュラシック・パーク』『ダイ・ハード』『ロボコップ』『トリプルX』など。
近年では『キングスマン』や『キングコング』まで。
そしてタランティーノ作品の常連でもある。
もう経歴が高学歴すぎるなぁ!!!
もはやどんな映画に出ても驚きはしない。
というか一週間に一度は遭遇するレベルだ。
たぶん映画が大好きなんだろう!
「モーガン・フリーマン」
なんでも屋その2。大作名作B級なんでもあり。
『ショーシャンクの空に』で名演技したと思ったらしょうもないB級アクションにも楽しそうに出てたり。
とりあえず主人公の脇でニヤニヤしてイメージ。
元気すぎるナイスジジイ。
「デンゼル・ワシントン」
衝撃の黒い学級委員長。
従来の「黒人はお喋りで面白い」というイメージを根底から覆した漢の中の漢。
アカデミー賞俳優でもありその演技力は折り紙つき。
かと思えば無双アクションものにも多数出演。
セガールをDVD棚の片隅に追いやった新機軸の最強無双おじさん。
「イドリス・エルバ」
英国からのカリスマ留学生。
『マイティ・ソー』では究極の門番役。最新作にもイメチェンして出演。
強大兄弟と破壊獣と死神と。銀河最大のサプライズパーティ。『マイティ・ソー バトルロイヤル』最速レビュー。ネタバレあり。 - 高速回転する方舟の片隅で。
『ゴースト・ライダー』では無骨な破戒僧役などアメコミ映画の常連でもある。 http://bebebeberserkun.hatenablog.com/entry/2018/01/06/120017
道交法?知らん!!
個人的にはDC原作の『ルーザーズ』がお気に入り。『ウォッチメン』のコメディアン&『アバター』『GotG』の異色異星人、そしてキャップという豪華極まりないメンツ。
『特攻野郎Aチーム』が好きならオススメだ。
ストーリーほぼ同じだし!!
そしてなんといっても極め付けはこれ。
『パシフィック・リム』
「スタッカー・ペントコスト」
漢気溢るる司令官。
有無を言わさぬカリスマ性と滲み出る漢気。
アメリカ大統領になってほしい漢、第1位。
その存在感はもはや無我の境地。
ロボットと怪獣の殴り合いと同じくらいな見所でもある。
…とまぁ近年のアクションにはこのうち誰かしらが出てるイメージがある。
そして本作の主演はイドリス・エルバ。
さらになんと暴力捜査官を演じているという素晴らしさ。
この時点で必見だ。
例のごとく劇場公開には出遅れたものの
最近はDVDリリースがやたら早い。
設定と予告から漂うB級感に浮つきながらいそいそと観賞したところ、これが素晴らしかったんだから嬉しいったらない。
というかもはやA級だった。
あらすじとしては
「パリを揺るがすテロ事件に周囲から浮きまくりの暴力刑事とアウトローなプロスリ師が手を組んで事件を解決する!!」
というシンプル極まりないもの。
わかりやすくていいな!!
とりあえず登場人物紹介。「シーン・ブライアー」
CIAの現場捜査官にして超有能暴力捜査官。
周囲からは浮いているが、当の本人は全く気にしていない。
地に足の着いた堅実的な格闘能力とホームズばりの捜査能力、そして最高の強運を併せ持つ。
「情と迷いを捨てたジェイソン・ボーン」とでも言うべきお方。
ブライアン・ミルズの現役時代はこんなんだったのかもしれないと思わせる有能さ。
恐ろしきCIAの育成能力。
ちなみに何の証拠もなくテロリスト6人を射殺したことがある。本人は後悔も反省も一切していないが!!
「マイケル・メイソン」
自らの腕に圧倒的自信を持つパリの天才スリ師。
その腕前はブライアーですら眼を見張るほど。
そして驚くことに作中では一切のミスなし。
狙った獲物はことごとく逃さない狩人。
将来は金を貯めて医者になるのが夢。
こんな真逆な2人が成り行きでタッグを組んでパリを揺るがす爆弾テログループと闘う。
つまらないわけがない!
そして実際面白い!!
実は警察署長を含む数名がテログループと繋がっていたという一応のどんでん返しもあることにはあるのだが、それはスパイス程度。
それより「主演2人のいちゃいちゃとアクションが見たいんだろ!見せてやる!!」という監督の声が聞こえてくるようなつくり。
全くもってその通りだ!
チャラついた飾り付けを一切排除した分、主役2人の魅力をしっかりと引き出すことに成功している。
例えばブライアーはこの手のアクションにありがちではある暴力捜査官だが
その行動に一切の迷いはない。
敵はもちろん一般人だろうが女だろうが邪魔or怪しければすぐブッ飛ばす潔さ。
ドアは蹴破り!
他人への情けは一切なし。
さらに思い立ったらすぐ行動するフットワークの軽さ。
頭の回転の速さも手伝ってこれ以上ない有能っぷりだ。
一例として作中にて。
テロ実行犯の濡れ衣を着させられたマイケルを追うシーン。
どんな場所だろうが障害物を乗り越えるか破壊するかしながら地の果てまで追跡するブライアー。逃走シーンで震え上がったのはT-1000以来。
なんとか命からがら得意のスリテクで原付を盗んで逃走を図るマイケル。
キチンとバレないようにフルフェイスのメットを被るが…曲がった先にはブライアー。
驚く間もなく容赦なしのラリアットを食らわせて確保するのであった。この暴力に訴える速さ。
普通は「もし一般人だったら?」という考えもよぎりそうなものだ。
自分の頭脳に絶対の自信がなければできない。
「ごめん」で済めば警察はいらないとはよく言うが
ブライアーはCIA。道理は通用しない。
この頭の良さは幾度となく披露される。
濡れ衣なマイケルやテロ実行犯を確保すべく動きまわるブライアー。
わずかなことから情報を集めて居場所を突き止めるのだが、その速さがもう尋常じゃない。
基本的に30秒後には目視できる位置まで迫るデキる男っぷり。終わりを確信する眼力。
CIAが全精力を傾けても八方塞がりな中、たった1人で次々と事件を解決していく出来る男っぷりはぜひ見習いたい。
ラストは黒幕にマイケルが人質に捕えられてしまうものの交渉の余地なく発砲。
人質のマイケルに!!
それを見越して防弾チョッキを着させていたとは言え恐ろしい容赦のなさだ。引き金の軽さは一円玉並み。
しかしマイケルも負けていない。
登場シーンからして金で雇ったモデルを街中で全裸ウォーキングさせ、見惚れている観衆から金品をくすねまくる という手口の鮮やかさ。
よく「天才」と言われている割に作中では失態を犯すキャラは多いがマイケルは違う。
なんと作中でのスリ成功率は100%!!あのブライアーに認められるほど。
とはいえどちらも漫画的なほど超人ではない、というギリギリ地に足の着いた設定。
このくらいならひょっとして…?なリアリティラインが見事だ。
最終決戦ではブライアーがテロリスト集団と単騎で銃撃戦をおっぱじめるのだが
キチンと遮蔽物に隠れる、手持ちの火器は弾切れする、などの現実設計。まぁ相手からドンドン強い武器を奪っていく悪夢のわらしべ長者スタイルでなんなく突破するが!!
この2人が悪態吐きながらなんやかんやで仲良くなる楽しさ。
それが本作の特長、といってもいいくらいだ。
とにかく都合の悪いことはガン無視し
目的に向かって一直線な様は観ていて爽快極まりない。
ステイサムと同じく英国紳士感は皆無だがそれでもイギリス人の底力を見せつけてくれる傑作バディアクションだ。手のつけられない英国からの不良転入生。
そこらのB級映画とは一線を画すつくりは十二分に一見の価値ありだ。
ちなみに個人的な話だが「エレベーターシーンがある映画は傑作」というジンクスがある。
近年だけでも『ナイスガイズ!』や『ベイビー・ドライバー』と名作揃いだ。
笑いしかないシーン。
嫌気しかないシーン。
ト・ト・トランスポーター。『ベイビー・ドライバー』感想。バレあり。 - 高速回転する方舟の片隅で。
そして本作にもそれらに勝るとも劣らないエレベーターシーンがある。楽しくなる掛け合いだけでストーリー的には全く不必要だが
こういった細かいところも気を抜かないのも素晴らしい。
トータルすると家デートには間違っても向かない作品ではあるが、仲の良い友人同士でなにか面白いアクション映画を観たいときなどにはうってつけな傑作だ。
あまりにも理想的な暴力刑事に盛り上がること間違いなし。
観よう!!台風の夜にでも!!!
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CIA捜査官×スリ!?映画『フレンチ・ラン』予告編 - YouTube
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