まさかのファンタジー&サスペンス!
観客のモチベーションが行方不明!!
「だから何?」は禁句な謎ムービー!!
ネタバレなし感想。
まぁ予告観てワクワクした方は観ていい…かも?
俺と趣味嗜好が似ている方には全くオススメできません。
デートムービーにも向いてません。
染谷将太さんのファン向け作品。
ちなみに阿部ちゃんはあまり出てきません。
原作ファンの方は大丈夫です。おそらく。
今回、褒めていません。
この映画が好きな方は読まない方がいいです。
もっとキチンとしたブログは山ほどあるのでそちらにどうぞ。それでは。
聞き馴染みのある言葉に「歴史的超大作」ということがある。
まぁ当ブログでも度々出てくるが、基本的にはあまり信用はできない言葉でもある。
今回の『空海』もそのような触れ込みだった。正直なところ予告を見る限りそこまで好きなジャンルでもなかった。
しかし少し調べてみると「この映画のために街をつくった」「中国では死ぬほど大ヒットした」「秒で製作費を回収した」など景気の良い話がぼろぼろと出てきた。
とはいえこの手の頭を使いそうな映画は苦手な俺。
スルー案件だったが、ありがたいことに試写会が当たった。
こうなったのも何かの縁。
無駄にするのももったいない。
なによりつまらなければ大ヒットするわけない、意外な掘り出しものかもしれない。といそいそと観賞させていただたいた。
上映後…というか上映中。
俺の脳裏を占めているのは「だから何?」の一言だけだった。
とにかく肌に合わない映画に顔を出したことを猛省させてくれる生徒指導室のような映画だった。
予告である程度の覚悟はしていたのだが
本編ではそれ以上に古代中国とファンタジーが加速していた。
『三国無双』という諸葛亮がビームを撃ちまくって一騎当千になるゲームは大好物なだけに
同ジャンルな本作は一安心…かと思いきや
本作はそれとは違ったベクトルだった。
まさかの名探偵空海。幻術が飛び交う古代中国。化け猫が大量殺人をやってのける。
…など 見所もなくはないのだが
正直なところあらすじはほぼ覚えていない。
まぁ要約すれば「楊貴妃の死を空海が探る」という話だったと思う。
とりあえずキャラ紹介。空海。実在したお坊さん。今回はまさかの探偵役。
幻術を見破る、妖魔を打ち破る、真相に一直線など有能にして万能。
終始動揺ゼロな鋼のメンタルを持つ。
いつも「私はわかってますよ」的な斜に構えた笑みを浮かべるやれやれ系主人公。
白楽天。今回のワトソン役。
確か詩人さん。正義漢。よくいる助手的キャラ。
楊貴妃。すごい美人。
設定と声から不二子ちゃん感がすごい。
阿部ちゃん。回想に登場。
楊貴妃の死の真相に関わった重要人物。
…以上のメンバーがあれこれ動くのだが、話の山があまりないために特筆したいことはない。
かといっていいところがないわけではない。
本作の特長でもあるビジュアルは息を呑むくらいに美麗だし、独特のダイナミックなカメラワークは映画の雰囲気によく合っている。このキャッチコピーはその通り。
特に終盤にて幻術を使いこなす四捨五入したらミュータントな兄弟が登場する辺りはハリウッド顔負けの圧巻さだ。『X-MEN』から輸入されたような「龍兄弟」
なんかすごい幻術を使う。
なにより役者さん達の演技はかなり素晴らしいのもあって退屈はしない。
この映画にハマる人がいるのもわかる。
それでも俺が合わなかったのは「趣味嗜好」の一言に尽きる。
とはいえ原作は「夢枕獏」の小説『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』だ。
同著でも『餓狼伝』はめちゃくちゃ好きなので期待してしまった節は否めない。漫画版は作画:板垣恵介という豪華さ。
こちらは有無を言わさない傑作。
「こっちを実写化してくれれば…」と思わずにはいられない。ちなみに未完。
兎にも角にも人を選ぶ謎映画。
決して駄作ではないが、どの層に受けるのかは全くわからない。
ノンフィクションというわけでもなく
アッパーに振り切っているわけでもない。
圧縮すれば30分程度で終わりそうなカルピス映画でもある。
惜しむらくはもっと史実方面、あるいはバカ映画に舵を切ればハマったかもしれない。
それでも10人に1人は傑作という人が出てきそうな作品だ。
残念ながら俺は9人の方だったが、まぁ予告観て我慢できなくなった方は観てみてもいいかもしれない。保障は一切しませんが!!
余談。試写会から数日後。
まさかのペアチケットが当たるという事態に陥った。
無駄にはしたくないから行くしかない!!
こうなったらとことん付き合おう!!
余談中の余談。
作中で一番驚いたのはこのシーン。仲間内でも一瞬流行るくらい印象的だったのだが、なんとこれ「治療に針必要だから取ってくれ」というだけのシーンだった。
このケレン味は評価せざるを得ないな!!
とにかくビジュアルで押し切る予告↓