通用しない常識なんざ投げ捨てろ!
とりあえず弾がブチ込めるなら勝てる!!
ミリタリーとファンタジーが高次元で激突する!!
Netflixに登録して早2ヶ月程。
期待以上のラインナップに狂喜乱舞したのも記憶に新しい。
とりあえず目当てだったアメコミドラマをざっと観終えて一息ついていたところ
『劇場公開もソフト販売もなし!Netflix配信限定!』
という景気の良い宣伝文句の作品が多々あることに気がついた。
他所様の作品だけでなく独自の展開もするとは
「さすがアメリカ、金はあるところにはあるな!」と何気ない気持ちでひとまず本作を観賞してみたところ。
エラく度肝を抜かれた。
「え、なんでこれ劇場公開されてねぇの?!!」
と思ってしまう程に最新映画と比べても遜色ないハイクォリティさ。
というかレンタルビデオ店の片隅に転がってるC級作品が映画ならこれも完全に映画だ!
110分間、瞳孔開きっぱなしだった。
そんな刮目すべきあらすじ。
アメリカ。
国防高等研究計画局という舌を噛みそうな研究所で働く1人の天才科学者。クライン博士。
若き天才科学者。熱い正義感の持ち主。
とある日、天下のCIAからお呼びがかかる。
「東欧のモルドバで不可解な現象が起きている」
「手を貸してくれ」とのこと。
不可解なものを見たら解明せざるを得ないのが科学者の性。
それに特に断る理由もなかった。
一も二もなく現地に向かう。
モルドバ。
そこではなにやら市民と反乱軍が大騒ぎな世紀末状態。
そこでいつものように米軍が出張ってきたものの
その「不可解な現象」のせいでなにもできない状況であるという。
さっそくその「現象」が映った映像を見てみるクライン。
それは全世界のyoutuberが涎を垂らしかねない衝撃さだった。
「不可解な現象」というかもうバッチリ幽霊。
しかも佇んでいるだけではない。
なんと明確な敵意を持っている。
そしてこの物体に接触すると即死とのこと。
「いや…もう悪霊でファイナルアンサーだろ…」
と言いたくなるが、舞台はあくまで現代。
そんなオカルティックな話をしている場合ではない。
それでもみんなの意見は割れに割れる。
現場の技師は「カメラの故障」と言い張り
CIAの女は「ステルス装備を纏った反乱軍」と頑なに意見を変えない。
市民は「戦争の悪霊」と信じきっている。
そんな中。
クラインは至って冷静に「どれも偏った意見だ」
「俺が解決する」
とりあえず現場至上主義なクラインは
やたら物分かりのいい兵士達の協力により軍に同行することに。
さっそくその「現象」が現れた地点に赴くも、そこは酷い有様。「やっぱりヤバくない…?」という予感。
この手の場面からなにも起きずに帰れた例を俺は知らない。
当然無事に帰れるはずもない。
実際ヤバいことになる。
全員の予感通り、次から次へと仲間達がやられていく。そりゃもうバッタバッタと!
そんな中、すっかり戦場カメラマンと化したクライン。
そのやたら高性能なカメラに「現象」が映り込む。もう誰がどう見ても幽霊だった。
ちなみにこの「現象」は現地では幽霊の意味で「アラタレ」と呼ばれているらしい。
「とにかく「アラタレ」も撮れたし帰ろう!」
「対処できる強さじゃないし!」
と装甲車に乗り込むもそこは地雷原だった。
装甲車は速攻スクラップになり、走って逃げるしかない一同。「ヤバいって!」
見えない敵に怯えながらも
辿り着いた先は要塞のような工場跡。
そして中には2人の子供がいた。
「なぜ生き残っていられる?」という疑問もそこそこに外を見ているとなにかがおかしい。
とある地点からアラタレの進行が遅れている。
その足元には大量の鉄クズがあった。
「アラタレの弱点は鉄だ!!」と気がついたこの子らの親が撒いたものらしい。
正体はわからんものの、弱点は判明した。
なにより実体があるなら殺せるということだ。
やられっぱなしは米軍にあらず!
と意気込む面々。
とにかく脱出地点まで向かうために
工場にある部品で「鉄クズがばら撒かれる弾丸」や「手榴弾」をDIYする米軍の面々。
もちろんクラインも負けてはいない。
高性能カメラをサーチライトに改造する。これで照らせばアラタレが映る凄いライト。
なんか方向性が全然違うような改造だが
気にしたら負けだ!
いざ、脱出地点へ!!!
ラウンド1。開幕!
先ほどまでとはうって変わって非常にいい勝負を繰り広げる。
「血が出るなら殺せる」とは偉大な先人が放った名言だが
その精神は未だに健在だった。
ヤってヤラれての大騒ぎ。
なんとか脱出地点に辿り着くも
お手製の武器は軒並み弾切れ。
ライトも故障してしまう。
そこにアラタレの一群が現れる。なかなかの絶望感。
万事休すか…と思いきや!!援軍、到着!
クラインが指示した通りのライトと装備を積んだ戦車やヘリが駆けつけてくれた。
「勝ったわ!これ!!」
と景気良く大砲をブチ込む戦車。
しかし一筋縄ではいかないのがアラタレだった。
アラタレ の たいあたり !
戦車はスクラップになってしまう。「おい!!なにしにきた!!」
掌を返し急いでヘリに乗り込もうとする一同。
しかしここで悲劇が起こる。
なんとアラタレによって無慈悲にも少年が殺されてしまう。
その怒りを押し殺せるほどクラインは腑抜けではなかった。
ヘリの風圧により足止めを食らっているアラタレに向き直る。
そして身につけていた「鉄クズを詰めたガラス瓶」を一斉に叩き割る!演出も相まって震えるカッコよさ!
クラインが正真正銘のヒーローになった瞬間だ。
それにより現場のアラタレ群は全滅。
その場を後にする一同であった。向かった先は難民キャンプ地。
残りの米軍も集ってくるも戦況は芳しくない。
どうやら各地にアラタレが出没。
もう地獄絵図だと。
しかしここでクラインが天才科学者の本領を発揮する。
「わかったぞ…あの正体が」
「あれはボース凝縮によって生み出された兵器だ」
「個体、気体、液体、どの性質も併せ持つ」
「陶器や鉄などの自然物質を通り抜けられなかったのはそのためだ」
「???」な米軍と観客。
まぁとにかくだ!
理論がわかれば対策も立てられる!
幸いここには大量の兵器がある!!
と本作二度目となる大DIY大会が開催!
たった数時間の試行錯誤にて。
四足歩行兵器に高性能ライト。
電磁パルスを発射するSF銃。
難民キャンプ地とは思えない設備で次々に超科学兵器を量産していく!!もはやこの人と同レベルな天才度。
そして正体と共に生産方法も判明。
どうやら近くの大規模な発電所が怪しい。
こうして世界を救うために名もなき兵士達が立ち上がるのであった。
超科学兵器を片手に!!
ファイナルラウンド、開幕!!
全面戦争、勃発!!!
…というもの。
あらすじでわかる通り、理論武装された整合性第一の方には向いていないだろう。
しかし「軍隊 vs 幽霊」という夢のマッチングに惹きつけられた中学生魂を持っている人は
必ず満足する出来だ。
シリアス一辺倒な作風でありえない夢の対決を描き出す無謀さ。
そしてそのためにジャブジャブCG技術を使いまくる出し惜しみのなさ。
圧巻。劇場で観たいなぁ!!!
しかもオカルト方面に寄せることなくあくまで科学に徹する剛腕さ。
これを見て思いつくのは以下の作品だろう。
『バトルシップ』
日米連合海軍 vs エイリアン。
最先端だけでなくアナログも駆使してエイリアンと渡り合います。
なんとも頼もしい背中。
最近テレビ放映が中止になりtwitter上が阿鼻叫喚騒ぎだったのも記憶に新しい。
そして…
巨大ロボ vs KAIJU という夢。
怪獣の出現に危機を覚えた人類がどデカイロボットを製作し、真っ向から殴り合いを展開する。
全男子の寝る前の妄想を具現化させた快作。
オタクに金持たせたらどえらいものができる見本市でもある。
本作も含め、未知の存在に人間の意地を見せつけるというテーマ。
整合性をノリと勢いで跳び越える大胆さ。
永劫愛されるべき熱いバカ映画だ。
さらにはそれぞれ大きな共通点がある。
キメ技が存在する。
クライマックスにて。
アラタレが融合し強大な竜巻と化す。
それに対抗すべく米兵がとった策は…
持ちうる電磁パルス砲を全直結!
一撃にかける!!というストレートなものだった。
発射!!!
衝撃で吹き飛ぶのも気にしない漢気。
この向こう見ずな無鉄砲感。
もはや笑うしかない格好良さだ。
まぁ逆に言えばこの辺が合わないのならやめておいた方が賢明とも言える。
しかし
「勢いで駆け抜ける映画が好き」
「ミリタリーものが好き」
「『メタルギア』が好き」
「そろそろ幽霊に負けてばかりの映画界に飽き飽き」
といった方々には問答無用でオススメだ。
このためにNetflixに登録する価値は間違いなくある!と断言できる。
観よう!!!
燃えよう!!!
『バトルシップ』ロスを埋めつくせ!!
優等生ヅラしてる予告↓
Spectral | Official Trailer [HD] | Netflix - YouTube
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