脳髄が蕩ける渋さ。
あの陽気な連中が帰ってきた!!
ノリと景気の良さはそのままに。
スケールは果てしなく広大に。
完璧な続編だ!!!
今回はいつにも増して真面目なあらすじなどはなし。本気で他のブログ行くことをオススメします。
それと「リミックス」という日本独自なサブタイトルがつけられた件に関しては他のブログやtwitterで散々なじってくれてるので当ブログでは語るのは控えます。
当ブログは「日本公開されただけでもありがたい」という日和見なスタンスでいきます。
さて、早いもので前作公開は3年前。
作中ではほぼ時間は進んでいないっぽいが、当シリーズはMCUの一部。
マーベルシネマティックユニバース(MCU)とは? - 高速回転する方舟の片隅で。
『シビルウォー』という一大事件が合間に起きているものの当シリーズの舞台は遠く離れた銀河の果て。
そんなことは影響するはずもない!!よってリンクはほぼなし、という潔さ。
ごちゃついたシリーズの中でも前作さえ見ていれば間違いなくMCU入門編としておすすめできるような超傑作として仕上がっていた。
思えばMARVELは俺流アレンジが非常に上手い。
原作をそのまま実写化する、というよりは様々なエピソードをいい塩梅で調理してくれる。それでいて原作へのリスペクトも怠らない配慮。さらには様々な要素を取り入れる柔軟さ。
ヒット作が続くのも頷ける話だ。
前作で言えば見事な「俺ら流スターウォーズ」を見せてくれた。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』バレあり。感想。新たな宇宙大戦争だ!! - 高速回転する方舟の片隅で。
しかし今作では驚きの方向に舵を切る。
予想だにしなかった嬉しい誤算な方向転換。
今作はまさかのMARVELによる「俺ら流エクスペンダブルズ」だ。
要因は主にこの2人の参戦。“スネーク”〈カート・ラッセル〉
“ランボー”〈スタローン〉
もうこのご両人を同時に拝んでしまうとあの映画を連想せざるを得ない。
『デッドフォール』
〈LET'S DO IT!〉という直球さ。
ざっくり言ってしまえばよくあるバディアクションなのだが、通常バディものはそれぞれ性格や特技などは真逆、そんな凸凹な2人が最終的に手を組み事件解決。というのが暗黙の了解的に存在する。
しかしそんな当たり前が通用する2人ではない。
凸凹感は申し訳程度。
結局2人していつもの暴力で事件を粉砕する。貴重な眼鏡スライ。
今こそ見よう!死にそうな昼下がりにでも!!
噂によれば『エクスペンダブルズ』の当初のキャスティングでカート・ラッセルに声をかけたらしいスライ。
しかし「アンサンブルキャストには興味ねぇ!」と突っぱねられてしまった過去がある。
その後、奇跡の暴力アンサンブルのワイスピシリーズにノリノリで参戦していることの説明がつかんが!むしろこれ以上のアンサンブルを探す方が難しい。
このときのスライの胸中はどうだったかはわからない。
まぁ良いイメージは持っていなかっただろう。
その魂をエクスペンダブルズにぶつけたであろうことは想像に難くない。圧倒的完成度の初期メン達。
これぞ元祖奇跡の暴力アンサンブルだ。
ここにカート・ラッセルが入ってたかと思うとゾッとするなぁ!
しかしそれから若干の年月が経ちどちらもまるくなったのか…もしくは今現在飛ぶ鳥を落とす勢いのMARVELからの誘いは断れなかったのか。
ともあれカート・ラッセルとスライがこうして同じ作品で見られるというのは非常に感慨深い。もはや大量破壊兵器の二丁拳銃。
しかし個人的見解になるがエクスペ勢やワイスピ勢はどうもファンタジーとの食い合わせが悪い。
例えばヴィン・ディーゼル。本シリーズではグルートの声優を務め、奇しくもワイスピではカートラッセルとの共演も果たした近年右肩上がりの漢。
『ワイルドスピード』『リディック』『トリプルX』などをそれぞれ再起動させてきた有能ではあるが…
新作『ラスト・ウィッチ・ハンター』はそうもいかなかった。
800年間魔女狩りを続けているハンターを演じているのだが相も変わらずに仏頂面でスポーツカーを乗り回す徹底された役づくり。ワイスピとの違いは武器は刀剣。敵は魔女。ということくらい。
そしてヴァンダム。ベルギーの開脚帝王。
ドルフ。ロシアの核弾頭。
このご両人が手を組んだ歴史的共演作といえば『ユニバーサル・ソルジャー』だ。…まぁ良くもないが悪くもない。
派生作の多さはまるでMARVELを先取りしたかのよう。
ステイサムですら。英国の下町っ子。
名作率ほぼ100%なはずな漢。
しかし唯一の黒歴史とも言えるのが『デス・リベンジ』だ。安いロードオブザリングな世界観で農民ステイサムが頑張る。やたら近年的な佇まいで。
ちなみに『2』の主演はドルフだ。世界的ファンタジーなはずなのにラストバトルは一軒家。
「俺の主演作で面白いのは3つか4つだよ」とはドルフ本人曰く。さすがIQ180だなぁ!!
シュワちゃん×SF=『ターミネーター』などの傑作もあるが、やはりこの手のアクション俳優の本領はいかにゴツい近代兵器を振り回せるかにかかっていると思う。
しかし意外というかなんというかエクスペ&ワイスピ勢はアメコミものに出ていたりもする。
前述の通りグルートの声優はヴィン・ディーゼル。今作ではベイビーなためにヴィンの音声は加工されているが。
そしてMARVELと言えば忘れられないこの漢。
最高のハマり役でありビールとの相性抜群な『ブレイド』スナイプス。最近MCUに組み込むためにスナイプス残しでリブートされるとの噂。わかってるなぁ!!
初代パニッシャーであり『ARROW』にもヴィランとして参戦、さらに『アクアマン』のライバルとしてDCEUにまで殴り込む予定のドルフ。勝てそうもないオーラ。
どんな仕事も断らない核弾頭級な謙虚さ。
さらにはあのステイサムにもドラマ版『デアデビル』の宿敵ブルズアイのオファーがきていたらしい。見たかった!!ぜひに!!
そしてシュワちゃんも。『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』にて悪役を好演。
能力よりも寒いギャグで観客と興行収入を凍てつかせ、シリーズを永久冬眠に追い込むスーパーヴィランっぷりを見せつけてくれた。
さて、本命のスライ。プライベートでもオーラ満載。
オレ流ヒーローが多いイメージだが、かつてイギリスの傑作グラフィックノベルの実写化を買って出た過去がある。『ジャッジ・ドレッド』
「新世紀は、ここから始まる。」
「究極の正義は、ためらわない。」
と80年代満載のキャッチコピー!
荒れ果てた近未来で警察官、裁判官、死刑執行人を一纏めにした主人公「ジャッジ・ドレッド」を熱演。
これ以上ないくらいキリングマシーンな仕事選びだが、原作では一度も脱がないヘルメットを開始20分程度で脱ぎ、いつものタンクトップスライが大暴れ!という原作至上主義なファンが見たら卒倒必至な迷作でもある。スライに任せたらそりゃこうなる!!としか言えない。
実際好きだよ!!俺は!!
まぁ2012年にガチめにリブートされ傑作として生まれ変わってしまったために原作ファンはもちろん、映画好きからも忘れられてしまった哀しき作品でもある。2012年版『ジャッジ・ドレッド』
「ヤベぇ女が支配する雑居ビルに殴り込む」の一言なド直球アクション映画。
激しいアクションが好きなら文句なしにオススメだ。
…とまぁ、ファンタジー同様になかなかにヒーローものとも食い合わせが悪いことも多々。
まぁそこは素がヒーローだから!という強引な理論で押し通させていただこう。
事実、史上最大の同窓会と謳われた『エクスペンダブルズ2』のキャッチコピーは『俺たちは、変身しなくても強い!!』だった。圧力、無限大!!
同年公開の『アベンジャーズ』に真っ向から喧嘩を売る姿勢。
この潔さは貫き通された漢気の表れでもあると信じて疑わない。まさか数年後にリーダーが出張ってくるとは夢にも思わなかったな!
ともあれ、一見水と油に見えるこの2つの要素。
しかし当シリーズ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のテーマはズバリ「80年代」だ。
例えば主人公であるピーターは幼少期に地球から攫われてしまった過去がある。そこで唯一の地球との繋がりを忘れないようにか当時(80年代)の映画や音楽がこれでもか!と話題に上がる。
そんな本シリーズ。80年代を代表する根っからのヒーローが噛み合わないわけもない。
結果として物の見事に調和しているのであった。
というか本作では初っ端からラッセル!!場転してスライ!!またラッセル!!と「あれ、これMARVEL映画だよな?」と問いたくなるような話運び。
さらにはそんな2人に引きずられるかのように他のメンツも漢気が加速していく。
前作ラストにおいて「ファミリー」となったガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々。
宇宙には「気を遣う」という概念などない!とばかりに口を開けば罵詈雑言のオンパレード。
「バカ」だの「ブス」だの「ゴミパンダ」だのとにかく酷い。
まさかMARVELにてここまでの男子校スピリットが見られるとは思いもしなかった。
しかもその精神はピンチに陥ろうが忘れられることはない。むしろ加速していく。
中盤にて敵に囚われてしまう「ゴミパンダ」ことロケット。
周りの人間はバンバン宇宙空間に放り出され殺されていく圧倒的危機の最中でも一切屈さないどころか徹底的に敵の親玉を煽っていくスタイル。
それももうコテンパンに!
釣られて他の雑魚勢も笑ってしまうほど。
この余裕さ、軽妙さ。
もはやステイサム感すらある。
そういえば途中で多勢の敵に襲われたときには『メカニック』ばりの即死トラップをばら撒きつつ『ワイルドカード』並みの容赦ない肉弾戦を披露していた。ほぼイコールな両人。
アライグマかいかついおっさんか、なだけだ!
そんな中でも一際「80年代」感が溢れているのがカート・ラッセルだ。
登場シーンからしてもうヤバい。
宇宙空間にて無数の敵軍に追われることになってしまったガーディアンズ。操縦はピーターとロケット。船内で「宇宙一のパイロットは俺だ!!」という子供すぎる意地の張り合いが行われつつも小惑星間を潜り抜け見事に殲滅する。見事!!COOLだ!!!
しかし敵は黄金の国。
そんなことで資金が尽きるはずもなくそれまでの数倍の宇宙船軍に囲まれてしまう。
万事休すか…と思いきやその数百にも及ぶ軍隊が一気に壊滅する。
その攻撃の元を見るとなんと宇宙に素肌で立ち尽くすカート・ラッセルが!!
思考停止して笑う他ないGotGと観客であった。
一見すればギャグすれすれなこのシーン。
異次元に引きずり込まれたこの感覚。
強烈な既視感を覚えずにはいられない。
そう!!『エクスペンダブルズ2』におけるチャック・ノリスだ。チームEXPでもお手上げだった戦車軍をどこからか一掃し、優雅に歩いてきたあの衝撃と全く同じだ。
さらにラッセルは出オチだけで終わる漢ではない。
なんとラストにはピーターと光速の殴り合いをおっぱじめる。
両者とも凄まじいパワーを持ちつつも素手オンリーな潔さ。イメージ図。マジでこのまんまだ!!!
劇場で失神しかけたのは久方ぶりだ。
これぞ ザ!80年代!!
『コマンドー』に始まり『エクスペンダブルズ2』に至るまで、漢同士の喧嘩は拳と相場は決まっている。
当然その息子であるピーターも負けてはいない。
序盤では良い父親を演じていたラッセルに心を許してしまうも、その実「宇宙中の女を孕ませまくる&産まれた子供が出来損ないなら殺す」という文春でも処理しきれないレベルのスキャンダル帝王だったことが判明。
しかも最終的に自分の母親を殺していたという反吐が止まらないドクズであったことを知る。映画史上類を見ない最低父親「エゴ」
名は体を表しすぎだ!!
当然ヘラヘラキャッチボールをしているわけにはいかない。
観客が事態を飲み込むより早く『男たちの挽歌』ばりのオーバーキルの光速二丁拳銃を叩き込む。『マグニフィセント・セブン』でも早撃ちだったがこちらはレーザー銃。比喩抜きで光速。
そして上記の殴り合い、という流れ。
本作何度目かになるMARVEL忘れが到来する!!
そして忘れてはならない漢。スライ。
役どころは宇宙のならず者集団「ラヴェジャーズ」の首領。
前作にてブイブイ言わせてたヨンドゥすら怯えてしまう程のリーダーという立ち位置。
もう登場からして頷く他ないキャスティングだ。
それだけのカメオ出演か…と思いきや、終盤にとんでもない大玉花火を打ち上げてくれる。
ラストの武装シーンはもう「宇宙版チームEXP」と言って差し支えないほど!!
…とまぁここまで何人の方が呼んでくれたかわからんが、以上が「MARVEL流エクスペンダブルズ」と断言できる所以だ。
80年代の最後のマスターピースは「漢気」だ!!
さらにそれだけで終わらないのが天下のMARVEL。
なんとここに家族愛すらブチ込む暴挙を決行する。
最も根幹をなしているのはピーターの父親を巡るドラマだ。
ずっと行方知らずだった実の父親に会えてうっかりガーディアンズすら捨てそうになってしまうピーター。
しかしここに紆余曲折あったヨンドゥが絡んでくる。
前作から引っ張られていた「なぜピーターにだけ甘いのか」問題の真相が判明したとき、観客の涙腺は決壊する。
生みの親であるエゴ。
育ての親であるヨンドゥ。
どちらが本当に自分のことを愛してくれているのか。
ラストの自己犠牲と卑怯すぎる回想シーン、そして「お前の父親はあいつ(エゴ)だが、親父は俺だ…」という名台詞。
音楽も相まってかなり腰にくる。
今作で株を上げたのは間違いなくヨンドゥだ。口笛で操る矢「ヤカ」の使い手。
さらに今回はなんとピーターだけではなくロケットとも抜群の絡みを見せてくれる。名実ともにガーディアンズの良き親父。
中盤の見せ場である脱獄シーンのかっこよさはアクションとしてもアートとしても満点すぎて泣けてくる。横並び。そして余裕な脱獄。
名作アクションの鉄則だ。
もう観賞後には今までのMARVEL映画で感じたことのない感情に襲われるほどだ。
他にもガモーラとネビュラの姉妹ドラマ、ガーディアンズのファミリー愛、そしてグルートの子育て奮闘記etc…と、とにかく最初から最後まで徹底された様々な家族愛描写の数々。
そしてそれらを度を超えた現時点最高峰のCGで包み込む。息を呑むとはこのこと。
画面の美麗さだけでも劇場に行った価値はあった。
80年代、家族愛、アクション、ドラマ、美麗すぎる景色…ともすればぶつかり合ってごちゃつきそうなところを全てギリギリのさじ加減で上手く配合する器用さ。
よく考えてみれば前作とは全く毛色の違う仕上がりになっていた。
それでも始めと終わりがよければ全てよし!!
前作以上に陽気なアクション、コメディ、ミュージカルが高次元で融合した惚れ惚れするオープニング。そしてグダグダしない幕引き。
スパッと終わりエンドロールへ。しかもそのエンドロール中には多数のオマケ映像。
MARVELではポストクレジットは恒例だがそれにしても恐ろしいほどのサービス精神。
観終わった後の清々しさは他の比ではない。
お洒落で泥くさく、そして最高にカッコいい。
完全に独自の、そして唯一無二の超傑作だ!!
『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』では一体どう絡んでくるのか。
そして完結篇である『Guardians of the Galaxy vol.3』はどうなるのか。
そしてスライは再登場するのか。
今まで以上にこれからのMCUは目が離せなくなりそうだ!!
漢気まみれの予告 ↓
アイツらが帰ってきた!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』予告編 - YouTube
漢気が欠落したtwitter ↓